心とからだ
ごりぺん
心とからだ
暑苦しくなって目が覚める。
「やば、また寝てた」
と言いながら机上のペンをとる。今日中にこれを終わらせなければ私の将来はない。
そう思いながら一生懸命ペンを動かす。
これまでに一体何日間徹夜をしただろうか。もう私のからだはボロボロになっているだろう。でもこれを乗り越えればいくらかは休めるはず…。
そう思ったのもつかの間、私は激しいめまいと頭痛に襲われた。気がついた時には朝になっていた。またやってしまったと思いながら、私はいつものように起きてリビングに向かう。
洗面所で顔を洗い、朝ごはんを食べる。食パンが喉を通り、食道を過ぎて胃に落ち着くのを感じる。私は急いで支度をして職場に向かった。
「おはよう!今日も頑張ろうね。」
声をかけられて振り返ると仕事仲間が笑顔でコーヒーの入ったカップを渡してくれた。そういえば今日何も飲んでないな、と思いながら
「おはよう。ありがとう。」
と返事をしてカップを受け取り、席に着いた。たわいもない会話が繰り広げられる。
「え!昨日も徹夜したの⁈ちゃんと寝なきゃだめだって言ったじゃん。」
彼女はそう言いながら私の肩を叩いた。叩かれた肩からは鈍い音が鳴る。
「しょうがないよ。将来のためだから。」
いつものように返して私は仕事にかかった。
暗くなるまで仕事をしてから帰路に着く。私は疲れ果ててフラフラになりながらソファに横たわった。
突然、緊急地震速報が鳴り響く。急いで机の下に行こうとしたが、揺れが強すぎて動けない。部屋の隅にあった棚がこちらへ倒れてくるのがスローモーションで見える。目の前が真っ暗になった。
次に光が見えた時には、あたり一面瓦礫の山だった。私は瓦礫の下から助けを求めたが、人々はそれには気づかずに他の人たちの救助に当たっていた。
そこに私を呼ぶ声が聞こえた。近所に住んでいる仕事仲間だった。私は必死に自分の居場所を伝えた。しかし、彼女はそれに気づかない様子であちらこちらを探し回っていた。
突然、誰かに踏まれた。あたりにガシャンという音が鳴り響いた。仕事仲間も驚いてこちらに駆けつけたが、彼女はありえない光景に唖然とした。
そう、助けを求めていたのは紛れもないロボットだった。
心とからだ ごりぺん @gympenguin07
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