第17話 【勅使河原 詩】は最悪の結末を迎える
「それで?勅使河原先輩はどうなったの?」
「うーん...連絡してるんだけど、なんか返事返ってこないんだよね?」
「それは少し不安ね」
生徒会室でそんなことを話していた。
「じゃあ、今日3人で先輩の家にお邪魔してみる?」
「...仙道さん。あなた当たり前みたいな顔でなんで生徒会室にいるの?あなた生徒会に入っていないでしょ?」
「細かいことはいいじゃないですかーw」
「...細かいことなのかしら」
そんな風に過ごしていると、現生徒会庶務と会計がやってくる。
「あれぇ?なんか今日はいっぱい人がいるじゃん。ワロタ~w」と、キャンディを咥えながらそんなことを呟く生徒会庶務【
「ほんまや~。何?乱交パーティーでも開いとるん?」と、似非関西弁で煽りながら入ってくる生徒会会計【
「...珍しいわね、二人が生徒会室に来るなんて」と、少し気まずそうにつぶやく。
「いやぁ、どっかの誰かさんが生徒会室をラブホのように使っていたからさぁw」
「そやねんな~」
「...」と、押し黙る雪花。
すると、視線は仙道のほうに向かう。
「ん~?こんな子生徒会にいたっけ?」
「あ~...いや...私は生徒会ではないというか...」と、頬をポリポリと掻きながらつぶやく。
「へぇ~。そっかー。そんで~会長さん。私たちの仕事とかなんかある?」
「...ないわ。そこにいる彼と私でやっておいたから」と、俺を指さす。
「あー...えっと...国見だっけ?ふーん?何?次はあなたがここをラブホ代わりに使ってるん?」
「...いや...使ってないです」
「ウケるwまぁ、あんたと会長じゃどう見ても釣り合ってないもんねw」
「嬢奈、いいすぎやでぇ~。私は国見はなしじゃないし」
「え?こんなのがタイプなん?美実。ウケるw」
「私は雑食やからな。というか、誰かのものを奪い取るの好きやねん」と、言いながら耳を甘噛みしてくる前々桶さん。
「ちょ!?//」
「その反応、童貞やな」
すると、雪花が勢いよく立ち上がる。
「...あー、会長さん怒っちゃった?wんじゃ、仕事もないみたいだし帰るかー」
「またね、国見」
そうして、嵐のような二人が去っていく。
「...すっごい人たちでしたね...」
「...そうだな。てか、なんであの人たちが会計と庶務やってるんだよ」
「...それは...また今度話すわ。それより今は勅使河原先輩のことでしょ」
「だな」
もう一度、連絡するもやはり返答はなかった。
そのため、3人でてっしーさんの家を訪れる。
ちなみに家についてはこの前の佐山誠一の一件のとき、一度家に寄っていたため知っていた。
インターホンを押すとてっしーさんのお姉ちゃんらしき人が現れる。
「ん?誰?」
「あ...えっと...詩さんと同じ学校のもので...」
「詩なら居ないよ?てか、昨日から家に帰ってきてないっぽいんだよね。まぁ、彼ぴの家にでも行ってると思うんだけど。何?学校にも行ってなかったりするん?」
「え?あぁ、いや!その...」と、思っていたよりやばい状況ではないかと悟り、適当な言葉で繕って、家を後にして急いで佐山家に向かう。
すると、そのタイミングで携帯に一通の連絡が入る。
【たすけて】
差出人はてっしーさんでであり、俺たちは先日のボディガードを連れて急いで佐山家に向かうのだった。
◇
恐る恐るインターホンを押すが返答はない。
「...居ない?」
「いや、それはない。ガスメーターが動いてる」
そうして、ドアノブに手をかけるが当然開くわけはなかった。
なので俺たち三人は近くに隠れ、ボディガードの人に用意したセリフをしゃべってもらう。
「すみませんー。近所の方から通報があってきたのですが。いらっしゃいますか?」と、扉を叩きながら何度か声をかける。
すると、扉が開く。
そこに現れたのは佐山誠一さんだった。
どう考えても目が泳いでおり、明らかに何かを隠しているのが分かった。
「...なんでしょうか?」と、ボディガードの顔を見てすぐに気づく。
そのまま俺たち三人が出てきて、話を聞く。
「何してるんですか?」
「...な、なにが?」
「...開けてください」
「それは...」
「本当に警察に通報しますよ。これは警告ではなく、命令です。5秒以内に開けてください」
「いや...」
そのまま俺は本当にやばいと思い、警察に連絡を入れた。
正直、どうなっているかわからないので説明が難しかったが、必死に現状を伝えると渋々家に来てくれた。
それからのことは...あまり良く分からない。
というのも、警察が来て中に踏み込むと...そこには何かがあったらしい。
しかし、警察から後のことは警察に任せてと言われ、詳しいことは教えてもらえず、その日は解散となった。
唯一、分かったことはその日以降、てっしーさんが学校に来ることがなかったことと、佐山和也を含め、一家が捕まったらしいということだけであった。
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