第8話 【四条 雪花】は吐露をする
◇放課後
あれから数日経ってから俺は生徒会室に向かった。
まぁ、いずれ顔を合わせることになるわけだし、誰かが居れば問題ないのだが...。
前回のあれは確かに俺がノックをしなかったことにも非があると言えば、非がある。
しかし、更衣室やトイレでもあるまいし、そんなことをしてるなんて普通思わないだろ?いや、しちゃいけないしさ。
などと、とりあえず自分に言い訳をしながら、生徒会室を訪れる。
特に役職持ちではないので、俺が居なくても問題はないが、生徒会をやっていたということは、もし推薦が取れた時のアピールポイントとしてはかなり大きいし。
「コンコン」
「どうぞ」と、会長の声がする。
頼む...。誰か他にいてくれよ。
そういう願いは大概叶わないものである。
案の定、そこに居たのは生徒会長ただ一人であった。
「...あっ、どうも」と、目を逸らしながら挨拶する。
「...久しぶりね」
そのまま机に置いてある資料を手に取り、「これやりますね」と、一応声をかける。
「...えぇ、お願いするわ」
「...」「...」
き、気まずい!
どれぐらい気まずいかというと、別れた元カノが隣の席になった時くらい気まずい!
いや、そんなことになった経験は俺にはないが...。
すると、痺れを切らしたように会長が切り出す。
「...この間はごめんなさい。その...生徒会室であんなことをしていたこととか...見苦しい姿を見せたこと...」
いや、冷静に考えると超美人の会長がよがっている姿を見れたのは男としては決して悪いことではない気がする。
「いや...びっくりはしましたけど...。まぁ、その...いろいろ事情はあるんでしょうし...」と、なんとかフォローする。
「優しいわね。誰にも言わないでくれてたみたいだし。助かったわ」
「流石にそんなことを風評するような人間ではないですよ。てか、今日は会長だけなんですね」
「えぇ、副会長は体調不良みたいでね。他の子達は...そうね。あまり...来ないのよ」
それから、あの事から話題を逸らし、やや気まずさが薄まっできた時のことであった。
「...国見くんは偉いわね。生徒会の仕事を積極的にやってくれるし、バイトとの掛け持ちなのに。ごめんなさいね、いつも雑用を手伝わせてしまって。それも本当は会計の子の仕事なのに...」
「いやいや、別にwそんなんじゃないですよw俺はただ内申点のためにしてるだけですから」
「...そう。意外としたたかだったりするのかしら」と、笑う。
【挿絵】
https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093083861635319
相変わらず綺麗な容姿である。
それに大人のような余裕とカリスマ性...。
同い年なのに敬語を使ってしまうのもそういったところが影響しているだろう。
だからこそ、あのサッカー部の部長である佐藤と、付き合ったというのを聞いた時驚いたものだ。
確かにイケメンではあるが、あまり賢くないというか...タイプがまるで違うし。
イケメンは正義ということか。
「...ねぇ、国見くん」
「何ですか?」
「...その...私にはその...あまりそういう話ができる異性の友達というのがいなくて...なんというか...その...」と、珍しく口籠る。
「...?よく分かりませんが、自分でよければ相談乗りますよ?」
「ありがとう。じゃあ...、聞くわね。男の子って...彼女と毎日するものなのかしら?」と、やや頬を赤くしながらそんなことを言う。
「...はい!?」
折角、気まずい空気から解放されたというのに...またその話!?
「ご、ごめんなさい...その...分からなくて...」
...いやいや、会長はものすごい勇気を持って聞いてくれたのだ...。
先日のことを思い出して息子を大きくしている場合ではない。
「...そうですね。まぁ、男子高校生ということと、スポーツをやっているということを併せて考えれば...毎日したいと思うのではないでしょうか?」
「...そう。スポーツやってることは関係あるの?」
「結構あると思います。ほら、オリンピックの選手村でもそういうのが頻繁にあると聞きますし...そういうものではないかと」
「...そう」
「...毎日するのは大変ということですか?」
「...まぁ、そうね。こっちはそんなに運動をしているわけでもないし、結構体力使うから。それに...たまにゴムをつけずにしようとしてきたりとか...」
「それはやばいですね。本人には言ったんですか?頻度を下げて欲しいとか」
「えぇ...。多い時は一日に3回とか...」
どエロいな!おい!
「...なるほど」
「それに少しその価値観という点においても...ね」
どうやら会長はうまく行っていないようである。
「...申し訳ないのだけれど、いろいろ相談に乗ってもらっていいかしら?」
「...じ、自分でよければ」
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