第7話 【四条 雪花】は辟易とする

 ◇


「...ねぇ、今日3発目よ?流石に疲れたのだけれど」


「仕方ないじゃん!俺エッチ好きなんだもん!」


「...はぁ」


 そうして、仕方なく相手をする。

相手はサッカー部の部長ということもあり、体力は有り余っていた。


 そのせいで付き合ってから1ヶ月程度ですぐにそういうことをするようになり、ほぼ毎日その相手をさせられる。

それも朝昼晩など1日3回とその頻度はむしろ増加傾向にあった。


 生徒会長としての仕事をこなす中で、そんなことをしていると日常生活にも支障をきたす上に...。

彼の異常性癖のせいで、生徒会室ですることもしばしば...。


 そんな8月30日の放課後のこと。


 誰もいなくなった生徒会室で致していると、「あっ、会長。すみません、前に頼まれていた...」と、生徒会に所属している国見くんが現れるのだった。


 そして、淫らな顔をしながら、淫らなことをしている私たちと目が合い、「しっつれいしました!」と一瞬で扉を閉めて去って行ってしまう。


「...だから言ったじゃない!校内ではやりたくないって!」


「あははは...悪い悪い〜」と、あまり反省していなさそうな誠くん。


 全く...。どう弁解すればいいのよ...。

はぁ...こんなことになるなら付き合わなきゃよかったかしら。



 ◇


 中学時代に生徒会をやっていたことと、元生徒会の会計の友達の勧めもあり、時々生徒会の手伝いをしていたのだが...。

まさかあんな場面に出くわすなんてな...。


 ややぼっーとしながらバイトをしていると、「ちょっと!先輩、私の話聞いてます!?」と、バイトの後輩である仙道に責められる。


「すまんすまん、ちょっとぼーっとしてた」


 そうして、後輩である彼女の恋愛相談に乗っていた。



 ◇翌日


 昨日出しそびれた資料を渡そうと思っていたのだが...。

会長と顔を合わせるのは少し気まずいな...。


 ということで、てっしーこと【勅使河原 詩先輩】に声をかける。


「...てっしーさん。申し訳ないんですけど、会長にこれ渡してくれませんか?」と、元生徒会会計であるてっしーに資料を渡す。


「...何で私が...?」と、嫌そうな顔で呟く。



【挿絵】

https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093083675858977


「頼みます!てか、てっしーさんは俺に借りがあること忘れてないですよね?」


「...それは...まぁ、そうだけど...じゃあ、貸しはこれでチャラってことでいいの...?というか、この資料って期日が昨日まで...って書いてるけど?」


「ちょっと事情があって昨日渡せなくて...。大丈夫です!会長に俺が担当していたことを伝えたら多分無条件でOKもらあると思うので!恩返しだと思って!」


「...そう。まぁ...何か事情があるってことだよね...。いいよ、それくらいなら...」


「てっしーさん!マジ神!...けど...教室で堂々とBL小説読まないほうがいいと思いますよ?」


「私の趣味を誰かにとやかく言われる筋合いはない」と、更に目つきが鋭くなる。


「...す、すみません。じょーだんです...」



 ◇生徒会室


 いつも通り副会長と会計と庶務の4人で生徒会の仕事をしていると...。


「...失礼します」と、元生徒会会計の勅使河原先輩が入ってくる。


「お久しぶりです。勅使河原先輩。どうされたんですか?」


「雪花ちゃん...久しぶり。友達にこれを渡すように頼まれて...」と、カバンから資料を取り出す。


「...友達ですか?」


「これ昨日期限の資料なんだけど...。2年の国見に頼まれて...」と、資料を手渡される。


 なるほど...昨日来たのはこれを出しに来たってことか...。


「...そうですか。ありがとうございます」とお礼を言う。


 私と顔を合わせるのは気まずいということだろう。

しかし、昨日の出来事は誰も噂をしていないことから、誰にも言わないでいてくれたらしい。


 現生徒会長と現サッカー部のキャプテンカップルが放課後に生徒会室で致してるなんて...、これほどのスキャンダルはなかなかないはずなのに。


 はぁ...、彼と付き合い続けるのは本当限界かもしれないわね。

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