資金繰り
白宮桃花・鞭野瑪瑙はアヴァター適性試験の為に海外へと移動した。
一週間の間、遠崎識人は一人、その時間を満喫するのだが。
「(さてと、資金繰りをしておかないとね)」
現状、遠崎識人に必要なものがあった。
それは、ポイントである。
どうにかして、ポイントの獲得を行い、彼女たちに貸し出して、負債証書による雁字搦めを行おうと考えていた。
なので、この一週間でポイントを稼ごうと思っていた。
〈イデア〉を起動しながら、遠崎識人は学園専用サイトを閲覧する。
「(取り合えず、彼女達が帰ってくるまでに、50万ポイントは稼ぎたい所だけど…そう上手い話はあるわけ無いか)」
〈PVP〉によるポイント争奪戦。
近隣に生徒が居なければ獲得が難しい。
高額のポイントを賭けた所で、ポイントそのものが少なければ意味が無い。
自ら、ポイントが多い生徒の元へと赴き、交渉を行って〈PVP〉を行うと言う手もあるが、時間が掛るだろうし、ポイントの数が多ければ警戒してゲーム自体が成立しない可能性もある。
何よりも、そういった事で噂が広がり、遠崎識人と言う人物は何者であるのか、と注目されるのは、彼自身も望んではいない展開だった。
「(…おや、これは)」
学園専用サイトを閲覧していた時。
遠崎識人は、〈Fight/Destiny〉の学生専用の〈PVP〉モードがある事を知る。
通常、〈Fight/Destiny〉の〈PVP〉は自らのレベルに近しいプレイヤーと競い、レートを上げるものなのだが、この〈スクールモードPVP〉は、学園専用に作られたものだった。
「(〈スクールモードPVP〉…これは、レベルの近いプレイヤー同士でバトルを行えるモードか、ポイントの賭けはEランクで1000ポイントか…)」
今の遠崎識人だと、EランクかDランクの生徒とマッチングしてバトルをする事になるのだが、それだとポイントの移行が少なく、ポイント獲得の旨味が無い。
遠崎識人は、これはあまり稼げないな、と思った。
「…無差別級、と言うのもあるんだね、このモードは」
だが、遠崎識人の目に留まるモードがあった。
その無差別級は、現在の自分のランクとは関係無く、ただ自分の実力を確かめる為に、どんな相手であろうとも受け付ける事が出来る、と言うモードだ。
「(成程、ポイントのレートは自身が提示したポイントで受付して、其処から相手が受ける事が出来る、と言った様子か)」
この無差別級を確認した後、遠崎識人は都合が良いと思えた。
思わず笑みを綻ばせてしまいながら、遠崎識人は稼ぎ場所を決めた。
「なんだ、手頃なものがあるじゃないか…取り合えず…」
首を傾けながら、遠崎識人は〈イデア〉の中にある特殊ツールを起動する。
それを使いながら、複数の〈Fight/Destiny〉の画面を映し出すと、それを動かしながら、同時に複数のマッチングルームを作った。
同時刻。
零算学園グループチャットルームにて。
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