依頼受諾
「そりゃ、意見が一致したな、で、それを俺にやれって言うのか?」
鬼怒川万次もまた、遠崎識人が邪魔でしかなかった。
何れは、依頼など無くとも、遠崎識人を潰そうと考えていた。
だが、依頼があると言う事は、それなりの報酬もあると言う事だ。
『はい、今回の成功の暁として、無料券を提供し、更に味見係の権利も差し上げる、との事です』
女子生徒との援交を無料で行えるチケットと、味見係と言うのは即ち、未経験の女子生徒の初めてを奪う権利を差し出す、との事だった。
これには、鬼怒川万次も興奮せざるを得なかった。
あまりにも破格の条件であり、裏があるのではないかと勘繰ってしまう。
「そりゃあ破格だな、で?撮影は?」
グローバルネットに上げる為に行う行為だ。
例え許可しなくても、鬼怒川万次はそれを無視して動画を上げるのだろうが…。
『…勿論、提供する子に限り、容認致します』
本登は上級生が望んでいる事を告げる。
ある程度の相手からの条件は呑んでも良いと言われていた。
俄然、やる気が出て来た鬼怒川万次。
「いいねぇ、じゃあ、アイツを退学に追い込めば良いんだな?」
歯をむき出す様に笑みを浮かべながら、興奮した下半身を見ていた。
退学にする方法など、沢山ある。
尤も簡単な方法は、暴力だ。
監視カメラの無い所で遠崎識人を連れ込んで痛めつける。
意識を失うまで暴行した後に脅せば、退学をせざるを得ない。
しかし、鬼怒川万次の思考を読んでの事か、本登は鬼怒川万次に言う。
『はい…ただし、これは私の経験則からですが…暴力は恐らく、通用しないでしょう』
男子生徒との喧嘩を目の当たりにした本登。
彼の実力は、格闘技を学んだプロを相手にしても苦戦するだろうと思った。
「はあ?強いのか、あの野郎、俺は複数のアヴァター適性を持ってんだぞ?」
鬼怒川万次は元からアヴァター適性が多いのだが、更に其処から適性試験を受けて適性を増やしている。
格闘などの技術は極めて高いのだが、しかし、どんな相手でも遠崎識人には敵わないだろう。
『どうやら、彼も多くのアヴァター適性を持っているらしく…闇討ちは難しいかと思われます、そうなると、やはり…』
小細工も通用しない。
であれば、残された退学の方法は一つ。
「へッ、〈
遠崎識人を退学へと持ち込むには、ゲームで決着を付ける他無い。
その言葉に、本登は頷いた。
『そうなります』
ならば、話は簡単だと、鬼怒川万次は言う。
「楽な仕事だぜ、俺はな、ポイントの支払いがクラスが上がれば上がる程に取られる事を知ってるからよ、あえて、Eクラスに居るんだ」
クラスが上がれば、その分、ポイントの支払いが増えてしまう。
だから、ある程度、自分の実力よりも低いクラスでやり過ごす生徒もいる。
鬼怒川万次の実力は、他の生徒とは違う。
「実力だけ言えば…俺は甘く見積もってもAクラスだぜ?Eクラス程度の雑魚、退学に追い込むだけなんざ、楽勝過ぎるぜ」
Aクラスのレベルであると言うのだが。
遠崎識人も、Aクラスレベルである。
尤も、レベルの枠組みがAクラスが上限。
遠崎識人は遥かにそれを超えるが、甘んじてAクラス、と言った所なのだが。
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