無駄遣い
他にも、ポイントを稼ぐには、クラスメイト同士で行う対人戦、週に一度行われる自由参加型のバトルロワイヤル、それ以外だと、授業で定期的に行われるテストで評価が良ければポイントを得る事が出来るらしい。
「(それ以外の使い道は…と)」
〈
世間一般では課金をする事でポイント購入が出来るのだが、零算学園の設定により、学園内専用のポイントのみでしか購入が出来なかった。
「(ここ以外だと、簡単にアヴァターを解放出来るけど、ここじゃあそうはいかないってワケか)」
視界内に移る情報を確認していた時。
ふと、彼に近付いて来た鞭野瑪瑙が声を掛けて来た。
「なにしてんの?」
そう聞くと、遠崎識人は首を傾けながら〈
ポイントを大量に取得したので、多少の贅沢が許される。
早速、遠崎識人は、ゲーム内にあるガチャシステムに触れた。
「初回限定のスキンガチャがあってね、10連をするとレジェンドスキンが購入出来るみたいなんだよね」
スキンガチャは一回1万ポイント消費する。
滅多にレジェンドスキンは出て来ないのだが、初回特典で最上級ランクのアヴァタースキンが出て来る。
無論、そんなものを買わずとも、公式の大会で優勝すれば、限定スキンなどが貰えるので、そのガチャを回す場合は、よっぽと見た目が気に入らない限り、迂闊に回して良いものでは無かった。
そして当然、その様な無駄遣いに対して、鞭野瑪瑙が悲痛な叫びを口にする。
「私のポイントをそんな無駄なものに使わないでッ!!」
ポイントを使うな、と言うのだが、彼女の意見を受け入れる様子は無かった。
視線ポインターで10連ガチャを回す。
脳内で響く軽快な音楽と共に、虹色に光るアヴァタースキンが登場。
「無駄なんてものはこの世に存在しないよ…おお、〈オクトコンパス〉のレジェンドスキンだ、早速使おうか…」
遠崎識人が手に入れたのは、全身が漆黒の色をした片腕が触手として蠢いている〈オクトコンパス〉と言うアヴァターだった。
早速、どの様に動くのか見てみようと思い、〈オクトコンパス〉を選択しようとすると、〈アヴァターを解放しますか?〉と言う画面が表示された。
その隣で、鞭野瑪瑙が叫んだ。
「レジェンドスキンを購入しても、アヴァターの開放をしないと使えないのよッ、バカッ」
ご主人様に向かって罵倒の言葉を口にする。
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