第35話 スキルチェックしてからの、いざ屋台料理開始!
――神は俗物的な事を嫌う。
と言う事で! 女神になるのを阻止するべく俗物的な事をドンドンしていこうと思います! そう、無駄使いも俗物的だよね!
いざ買おうというその時、兄からストップがかかった。
「まずはスキルを見直そう」
「スキル?」
「あれから随分と戦ってスキルポイントがたまっている筈出し、生えてきたスキルもある筈だ」
確かに一理ある。
こうなったら買い物前にスキルの要チェックや!
と言う事で各自スキルチェックを始めた。
確かに生えてきたスキルもある。
これらは恐らく、生前私が楽しんでやっていた事がスキルとして出てきているようで、新しいスキルに【絵本作家】【紙芝居】【ピアノ】【歌唱】とあった。
保育園の先生を目指して頑張っていた前世。
その辺りが顕著に出た形の様で、その他には趣味で頼んでいた【レジンアクセサリー】【お菓子作り】も追加になっていた。
一応スキルポイント的に全部取るとは可能だった為、【絵本作家】【紙芝居】【ピアノ】【歌唱】【レジンアクセサリー】【お菓子作り】を取得。
もう少し余っていたスキルで、【彫金師】をゲットする。
私もお兄ちゃんみたいに彫金でアクセサリーが作りたい。レジンの土台を作りたい。
「私は取れるもの取ったかな」
「ん~? 私も商売系取った方がいいですかねぇ?」
「強さ的には私たち結構強いからね、商売系は何があるのか見せて貰っても良い?」
「どうぞ~」
サトリちゃんのその言葉にスキルツリーを見せて貰うと【ミサンガ】は此処で採ったのかと思いつつ、その他の部分を見ていく。
【彫金師】から伸びていたのは【シルバーアクセサリー】で、確かにこれは銀を使ったアクセサリー作りになりそうだと思いつつ頷く。
【ミサンガ】を取った際に【付与師】は取っていたようで、これならシルバーアクセサリーでも付与を使えそうだと思う。
【製薬師】で、こちらも有能。
と、サトリちゃんだとそんな所でポイント的にも十分だったので全部取ることになり、サトリちゃんはこれで【彫金師】【シルバーアクセサリー】【製薬師】を取得、元々持っていた【ミサンガ】【付与師】はそのままだ。
「お爺ちゃんはどう?」
「ワシも色々取ってみたぞい」
「見せて貰える?」
「うむ、ええぞ」
こうしてお爺ちゃんが取ったスキルを見ていくと【製薬師】だけを取って、後は攻撃魔法や防御などの方にスキルを取っていた。
幅広い知識をお持ちのお爺ちゃんが作る製薬……ちょっと楽しみである。
一通りスキルチェックが終わった所で、今度こそ購入時間である。
レジンの道具もこの際色々買っちゃおうかな!
ピアノは欲しいけど、あっても使う機会は無さそう。
それよりは売り物を作って売った方が絶対女神からは遠のくはず!
俗物的……たまりませんな!
「これって~? 製薬師とったら、製薬師ギルドに登録した方がいいんですよね~?」
「そうじゃのう。ワシも取ったし二人で行くかのう」
「お小遣い足りる?」
「足ります~」
「足りるぞい」
「なら気を付けて行ってきてね。私も彫金師取ったから、彫金師ギルドに行ってくる」
こうして急いで私もサトリちゃんたちもギルドが空いてる時間帯に登録をと駆け出し、無事登録を行うとホッと一安心。
付与師の時も実は慌てて取りに行ったのだ。
さて、兄のいる居住空間には私たちは勝手に入ることが可能な為サッサと戻り、いざ、買い物である。
別に明日から料理をしなくても良いけど、朝と昼は料理を作って、合間の時間でレジンとか出来たらいいな。
どの道、期間限定のお店も毎日開ける訳ではないだろうし。
子供だもの。
休息日は必要!
と、言う事で屋台は2種類購入する。
1つはおでん用。
もう1つはポトフやシチュー用。
大きな寸胴鍋2つか3つ乗るだけの業務用のコンロ付きで、コンロが無くともこの世界では動くらしい。それらは空気中にある【魔素】を使うからのようで、なんともファンタジーである。
ただし、火の魔石だけは必要の様で、此れだけは後で買いに行かねばならない。
お使い誰か言ってくれないかなぁ……そうだ。
「お兄ちゃんかヴィーザル、どっちかお使い行ってきて?」
「ん? 俺で良ければ行くぞ」
「ありがとうヴィーザル。火の魔石をちょっと多めに欲しいの。買ってきてくれる?」
「ああ、分かった」
そう言うとヴィーザルはその足で魔石やに行ってくれてホクホク笑顔になっていると、兄は苦笑いしながら「色々取り揃えてるな」と拠点の一部を改造してくれた。
屋台を置く場所を用意してくれたのだ。大変ありがたい。
「後お兄ちゃん、彫金やレジン用の机欲しいから買っていい?」
「レジン?」
「レジンアクセサリー。知らない?」
「聞いたことないな……」
「樹脂で固める綺麗なアクセサリーだよ。宝石と間違う位には綺麗なんだから」
「ほお」
「それの土台作りで彫金師欲しかったんだよねぇ。ふふっ 取れて良かった!」
「俺も付与師は取ったよ。明日には登録に行こうと思う」
「そうなのね」
各自一歩ずつだが前に進んでいる感じがしていい。
私の女神化は遠ざかっているようだし、何よりだと思う!
「おでんの具とか御汁は、業務用使おうと思うの。一から作ってたら時間が足りないから」
「まぁ、おでんは仕込みも大変だからな」
「その代わり、ポトフは頑張るよ」
「カオルの作るポトフは絶品だったからなぁ……。ファンが付きそうだ」
「ふふふ」
こうして屋台2つを屋台置き場に置き、そこで調理も出来るようにして貰ったので助かる。
と言っても、煮込むだけだけど。
お酒は出しません。私たちはお子様なので!
「明日の下ごしらえして取り敢えずポトフは煮込んでおくとして、サトリちゃんと2人で売りに行くから大丈夫かな? 護衛にはプリシアちゃんとラテちゃん来て貰うし」
「過剰戦力なくらいだ。行っておいで」
「はーい」
「俺達も各自作れるものや、討伐依頼も見つつやっていくよ」
「分かったわ」
こうして台所でポトフの材料作りが始まった私を他所に、次々に皆帰ってきて、火の魔石は大量に買ってきて貰えた。
これなら数か月は持ちそうである。
黙々と玉ねぎと格闘もしつつ大鍋寸胴3つ分の材料を仕込み、後は1つずつ運んで貰って屋台のコンロに火の魔石をセットして煮込み始める。
出来上がるまでは大変だけど、その間に業務用おでんも大量に購入して、こちらも煮込むだけ煮込んでおく。
この夜の手間こそが大事のだ!
――こうして、完成したポトフ3つを出来立てほやほやのままアイテムボックスに入れ込み、おでんも出来立てほやほやのをアイテムボックスに仕舞い込む。
後は取り皿と使い捨てフォークを用意して、黒のゴミ袋を用意して……と。
「明日の朝、サトリちゃん一緒に来てくれる?」
「いいですよ~」
「護衛も兼ねてお願いね」
「は~い」
これで準備は万端!
後は明日の朝、皆さんが朝ごはんを食べに動きだす時間帯に、借りたエリアでポトフを売りに出してみよう。
結果は後からついてくるでしょう! 明日次第、売り上げ欲しい! 頑張るぞ!
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