第4-3:これからも
いざ自分なりの勉強をし、葵が作った問題を解いてみると。
「うわ、意外に解けない」
「テストってそういうものだからね。勉強で『まあできるだろう』とか『ここは出ないと思う』って思うところは出てくると考えた方がいいよ」
「なるほど……」
最後まで解いて、答案を提出する。
赤ペンを走らせる音が部屋に響く。
赤ペンが二画になると罰がついているんだなと少し絶望する。
その後に少し文字を書いて次の採点を行っている。
五分して、採点が終了し、答案が返却されると、点数は脅の三十二点。
「こんなに点数悪くなったのか……」
「今回は葉涙、結構授業中に寝てたからね。まず、今回のテスト範囲は——」
そして葵先生による解説が始まった。
そして一時間後、十分休憩を挟み、第二回目解説を行い、再度テストを行うことにした。
そして二回目の点数は八十七点。
脅威の葵先生の解説による勉強会により、第一回は高得点を取れた。
「今日はとりあえずここまででいいかな、これを毎日テスト前日までやるからね」
「ういっす」
「じゃあご飯作ってくるからちょと待ってて」
「俺も手伝うよ」
そう言って彼女の料理の手助けをすることにした。
と言っても何も料理ができないので、ただ机を拭いたり、冷蔵庫から食品を出したりするだけのことだが。
「葉涙、ピーマン切って」
「はい」
「焦げないように軽く炒めておいて」
「はい」
「盛り付けはしておくから、机拭いておいて」
「はい」
なんか、新人で入社したメイドの気分を味わっている。
でも、楽しいから何も問題は無い。
もし、これが本物の夫婦なのであれば——
……まだ、考えなくていい。
「葉涙ってさ」
「?」
「昔のこと覚えてる?」
「……覚えてないな」
「……私の勝ち」
何やら小さくガッポーズをしているが、なんの事なのかが全く分からない。
「それと」
「うん?」
「もし本当の夫婦になれるなら、なりたい?」
「……内面を覗いてくるのはよくないと思う」
「回答は」
「なれるならなりたい」
「じゃあ、こうしよう」
「?」
そうすると、料理中なのにも関わらず、俺の顔を両手で掴み、そっとキスをした。
「こうしたら、少し新婦っぽい?」
「……気持ちは? それよりもドキドキしてそれどころじなゃい」
「まあ、明日待てばわかる」
「???」
意味がわからないが、果報は寝て待てという事なのだろう。
その後に葵お手製の夕ご飯を食べ、二人で就寝したというのは言うまでもないだろう。
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