第11話 雑談配信

 「やっほー皆、A級探索者のアオイだよ。今日は雑談配信していくよ。そして今回は、スペシャルゲストに来てもらってるよ」


:やっほー

:スペシャルゲスト?

:もしかして!?


 「じゃあ、早速呼ぶね!恵ちゃん」


 呼ばれた俺は、葵の横に行く。配信の内容としては、視聴者の質問に答えるといった単純なものだ。


 「今回、スペシャルゲストとして呼ばれた花川恵だ。よろしく」


:まじか!!

:おぉー!

:この前はすごかった!

:前に使った氷魔法、エグかった!


 俺が挨拶をすると、いっきにコメントが加速した。


 「今回の配信では、恵ちゃんにドンドン質問していこうと思うから、視聴者のみんなも質問があったらコメント送ってきてね!」


 「俺も、できる範囲で答えていこうと思う」


「じゃあ、私ずっと気になってたんだけど、恵ちゃんって、魔法使いだよね?」


 「そうだぞ、でも、どちらかといえば剣士かな」


 「えーっ!前に見たときも思ったけど、魔法も使えて剣もつかえるの!?」


 「あぁ、でも、魔法が使えるようになったのは最近だけどな」


 「最近使えるようになって、あの威力…」


:魔法使いが接近戦出来るとか、バケモンやん

:流石S級

:いや、S級でも両方は無理やろ

:恵ちゃんがバケモンなだけやろ


 コメントにもある通り、S級といえど魔法も剣も両方使えるやつは、俺以外いない。そもそも、魔法と剣とでは魔法の方が圧倒的に強いので、S級の中に俺以外で剣を使えるやつはいない。


 「次の質問いくよ。日本人ですか?ってコメントが多いね」


 「俺は、純日本人だぞ」


:今更だけど、髪って地毛?

:瞳の色とか、日本人じゃないだろ

:染めてるの?


 さ、さすがに容姿について答えるのは、恥ずかしいな。ま、まぁ、答えられる範囲でって最初に言ったし…


 「こ、これは…その、えーっと、あ〜色々あった」

 

:??

:色々って?

:なんか怪しい?


 「恵ちゃん、それ私も気になる」

 

 「えっ…そのーあれだ、魔力が多過ぎて人体に影響がでちゃった」


 魔力の影響で、体に変化が出たなんて事例は今までにない。だが、俺の魔力量が多いのも事実だし、そういう設定で押し切れるだろ。


 「確かに、魔力は多いだろうけど…髪の色が変わったなんて聞いたことがないよ。ちなみに魔力量はいくらなの?」


 「えっと、確か…3日前に測った時50万だった」


 「へっ?ご、50万!?」


:流石に嘘よな…

:いや、普通に嘘やろ

:前の魔法見た感じ、1万ぐらいはあるかもやけど50万はさすがに…

:最高でも、1万5千やで


 「恵ちゃん、それほんと?」


 「じゃあ、今度正式に協会に測りに行くから、恵もついてくる?」


 「えっ、いいの?」


 「うん、別いいよ」


 S級探索者同士は結構仲がいいので、前にリチャードにあった時、魔力が少ないと俺をからかってきた。なので、正式に協会に魔力量を測りに行って、記録を更新してもらおうと考えていた。


 その後も配信は続き、1時間ぐらいで終了した。

 

 

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TS少女はダンジョンに行く @yyotyo

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