第10話 配信

 今日はまだ学校が始まって、入学式も合わせると2日しか経ってないので、特に授業も無く、学校についての説明だけで終わった。


 俺は放課後になり、帰ろうと荷物をまとめていた時、隣にいた葵が声をかけてきた。


 「恵さ…ちゃん、この後時間ある?」


 「特に用事もないよ」


 「そっか。じゃあ、この後話したいことがあるからさ、カフェに行かない?」


 「いいよ」


 その後、俺達は学校の近くにあるカフェに喋りながら向った。


 「そういえば、恵ちゃんはいつから探索者になったの?」


 「確か、2年前だから中2の時かな」


 「えッ!?2年間でS級になったの!?」


 探索者になるれるのは、中学生からだ。大半の探索者はC級だ。もし、A級のダンジョンでスタンピードでも起これば、普通に街が滅ぶ。なので、少しでも等級の高い探索者が増えるように、早いうちからダンジョンに慣れさせるようにしているのだ。


 「すごいなー恵ちゃんは」


 「まぁ、才能もあったしな」


 つい最近まで俺は、魔法が使えなかったが、それ以外の才能がずば抜けていたので、S級になることができた。そうこう話しているうちに、カフェに到着した。


 「ご注文はお決まりでしょうか?」


 「私はカフェラテで」


 「じゃあ、俺はアイスコーヒーで」


 アイスコーヒーとカフェラテは、注文してからすぐに、店員が持ってきた。


 「それで、何か俺に話でもあるのか?」


 「はい、実は恵ちゃんにお願いがあって」


 「お願い?」


 「実は私、配信者なんです。それで、前に助けてもらった時、恵ちゃんが映ってしまいました」

 

 「配信者ってことは知ってるよ。で、お願いって?」


 「はい、その…私の配信に出演してほしくて」

 

 「えっ?俺が出演?なんで?」


 「私の配信の視聴者が、恵ちゃんの事が気になってるみたいで…あっ、もちろん無理にとは言いません」


 「まぁ、どうせもう配信にも映っちゃったし、配信に出ることぐらいなら構わないよ」


 「ホ、ホントですか!ヤッター!」


 その後、俺たち日程とかを決めて解散した。


 それから俺は、特に何事もなく学校生活を送っていた。そして遂に、配信する日がやって来た。配信は葵の家でやるらしいので、俺は葵の家に行った。


 「いらっしゃい、恵ちゃん」


 「両親はいないのか?」


 「両親は仕事で滅多に帰ってこないよ」


 どうやら葵は、実質一人暮らしらしい。それから早速、葵の部屋で配信を始める準備をした。


 (そういえば、女子の部屋に入るのは初めてだな)


 そんな事を考えながら、準備が終わるのを待った。


 「よし、準備できたよ恵ちゃん。あっ、名前、配信で出さないほうがいい?」


 「いや、別に名前を隠す必要はない」


 これから、葵との配信が始まる




 


 

 


 


 

 



 


 

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