第9話 高校生活
昨日、会長に呼び出されたせいで、入学式に行けなかったので、今日、初めて高校に行く。俺は女になったが、スカートを着るつもりはないので、ズボンを履いている。
俺が通う高校は、探索者の育成の場なので普通の高校とは違った、様々なイベントがあるので楽しみにしている。
「いってきま〜す」
学校は家から走って、30分程のところにある。普通は電車を使うのだろうが、田舎育ちの俺には、電車を使うことなど不可能なのだ。
「キレーな校舎だな」
俺が通う高校、ダンジョン探索育成高等学校、通称ダン校は新しくできたこともあり、校舎が綺麗だった。
「少し、早く来すぎたな」
今日が初登校なので、遅刻しないようにと、早く来たのが仇となった。
「教室の場所もわからないし、とりあえず、職員室行くか」
校舎に入った俺は、すぐ近くにあった職員室に入った。
「すいませ〜ん、教室の場所教えてください」
職員室にいた教員がコソコソと話し始めた。『おい、あれって』『あぁ、間違いない、日本唯一のS級探索者だよ』『俺等、教えることあんのかよ』等と言っている。すると、黒髪を腰辺りまで伸ばした美人が声をかけてきた。
「君が、花川恵君かな?」
「そうです、俺が花川恵です」
「そうか、私は君のクラス1年━A組の担任の
「わかりました」
しばらく待っていると、チャイムが鳴った。
「恵、私についてきてくれ」
先生についていき、しばらく歩くと、教室に着いた。
「じゃあ、私が名前を呼んだら入ってきてくれ」
そう言うと、先生は教室に入っていった。なんか、転校生になった気分だ。
「みんなに、連絡事項がある。昨日、探索者の用事で来れなかった生徒が遅れて今日からこのクラスに加わる、みんな仲良くしてやってくれ」
「センセー女の子ですか?」
「それは、見てからのお楽しみだ。恵入って来い────」
俺はドアを開け、教室に入って自己紹介を始めた。
「花川恵です。趣味はダンジョン探索です。よろしくお願いします」
『お、おい、嘘だろ』『あれって、S級探索者の恵じゃん』『昨日、配信に映ってたよな』『てか、滅茶苦茶美人じゃん』
どうやら俺は、かなり有名人になったようだ。
「恵は、あそこの席に座れー」
俺の席は窓際の一番うしろの席になった。主人公席というやつだ。席に座り横を見ると、そこには見知った顔があった。
「あれ、葵じゃん」
「ひ、久しぶりです。まさか、恵さんと同じクラスになり、隣の席になれるとは……嬉しいです」
「恵でいいよ。俺も葵が隣で嬉しいよ」
俺が笑顔でそう言うと、彼女は顔を赤色に染め、俯いてしまった。あれ、こんな反応するってことは、そういうことだよね。精神は男なので、男に惚れられるより、葵みたいな可愛い子に惚れられる方がよっぽど嬉しい。
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