第4話 ダンジョンボス
ダンジョンに入った俺は、最速で11階層へ行く。
「ふー、ここなら誰もいないか」
そう言うと、俺は被っていたフードを脱ぎ、探索を始めた。探索を始めて、すぐに魔物と遭遇した。
グルゥゥ──
威嚇するように唸る魔物はオーガと呼ばれる魔物だ。俺は木刀を構える。何故、木刀を装備しているかというと、始めてダンジョンに行くときに使った武器が木刀だった為、愛着が湧いたのだ。
オーガはすぐに、俺に襲いかかってきた。俺の顔面目掛けて、拳を振るってくる。それを避け、そのまま木刀を横薙ぎに一閃。オーガは、上半身と下半身が別れ、膝から崩れ落ちた。
前の俺ならば、ここまできれいに切れなかったが、魔力が増え、木刀に纏わせる魔力を増やしたことで、切れ味も増した。
「まだまだ時間もあるし、もっと進むか」
ここのダンジョンは前に1回だけ来たが、その時は時間が無く、18階層までしか行くことができなかった。だが、今回は時間があるので、行けるところまで行きたい。
そこから俺は、ひたすら階層を上がり続けた。魔法も使えるようになったので、だいぶ効率も上がった。
「えっと、ここで50階層か…4時間もかかっちゃったな。それより、問題はこれだよな」
俺の目の前には、大きな扉がある。これは、ダンジョンボスの部屋だろう。ダンジョンの等級と、ダンジョンボスの等級は同じなので、この先にいる魔物の等級はS級。S級の魔物は滅多に現れることがないので、俺も今までで、4回しか戦ったことがない。
「どうしよっかな、まぁ、まだ時間もあるし、行くか」
扉を開けた先には、S級指定の魔物、ドラゴンがいた。
「ドラゴンとは、戦ったことは無かったな」
ドラゴンもこちらに気づき、ゆっくりと起き上がった。ドラゴンは、S級でも上位の魔物なので、今までの俺だったら苦戦してたかもしれない。だが、魔力量が増え、魔法が使えるようになった俺がどこまでやれるか楽しみだ。
ドラゴンは起き上がった後、虫けらをみるように軽蔑の眼差しで、俺を見下ろしてきた。ドラゴンは自分の方が生物として、圧倒的に格上だと思っているんだろう。
「気に入らねぇな、そのバカにしたような態度は」
ドラゴンは、俺の態度が癪に障ったのか、いきなり、口から火のブレスを放ってきた。俺は、その火のブレスを氷の壁で防いだ。
俺はドラゴンの懐に潜り込み、足の腱を切り、体勢が崩れたドラゴンの背中に飛び乗り、そのまま両翼を切り落とした。
ギァャャ───
ドラゴンは、両翼が切られたことで悲鳴のようなものをあげ、暴れ始めた。その勢いで、俺は背中から振り落とされた。
「足の腱は再生してるが、さすがに、翼は再生するのに時間がかかるか」
ドラゴンの厄介な点はいくつもあるが、そのうちの一つがこの再生力である。
ドラゴンは、翼が切られたことで俺を敵と認識し、怒り狂った目で俺を睨めつけてきた。そして、今度は全力のブレスを放とうとしていた。
「じゃあ、俺も全力で魔法を放つか」
最近は魔法の練習をしまくっていたので、魔法の腕もだいぶ上がっている。
ブオォォォォォ
ドラゴンのブレスは、全てを燃やし尽くす勢いで、俺に迫ってきた。俺も対抗するように氷魔法を放った。
しばらくは拮抗していたが、段々と俺の氷がブレスごと凍らせていき、最終的に全てを飲み込んだ。
「やっぱり、魔法があると楽しいし、便利だな」
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