第2話 一応、美少女

 美少女になった、翌日。俺は起きた後、美少女になったままであることを確認した。


 「ハァー戻ってなよな…まぁ、しゃーない。それに、一応は美少女だ」


 ちなみに、両親は5年前のダンジョン災害の時に死んでしまった。だから、今のところ俺が美少女になったことを知ってるやつはいない。


 こんな田舎だから、まだ誰にも見られていないが、俺は東京の探索者育成高等学校に入学することになっている。


 「ハァー絶対目立つよな。そういえば、あいつにも連絡しないとな」


 あいつとは、日本探索者協会会長のことだ。俺は日本で唯一のS級探索者なので、会長とも関わる機会がある。なので、連絡先も交換している。


 プルルルプルルル


 電話をかけたら、すぐに電話にでた。


 「会長、久しぶり」


 『あっ?お前誰だ?』


 女になったことで、俺は声が高くなっている。


 「俺だよ。恵だよ」


 『恵だと?随分と声が違うようだが?』


 「あー俺、女になっちゃったんだよ」

  

 『はっ?えっ、恵が女?いや、でも儂の連絡先も知ってるし』


 「まだ、信じてないね。じゃあ、会長が俺の性根が腐ってるとか言って、俺をボコボコにしようとしたら、逆に会長がボコボコにされた話する?」


 『なっ!?それを知っているということはホントに恵なのか!?』


 「だからそう言ってんじゃん。じゃあ、ここから本題ね。俺、女になったから、戸籍とか色々お願い」


 『ちょッ!そんなこと急に────』


 面倒くさいことを会長に丸投げにし、電話を切った。会長から、電話がかかってきたが、無視して今日もダンジョンに向かう。


 ダンジョンに着いた俺は、1つ試したかったことを試す。それは、魔法だ。今までの俺は、魔力量が少なく、魔法の才もなかったため、魔法が使えなかった。だから、身体強化だけで、戦ってきた。


 しかし、この体になってから、魔力量が増えたのが分かった。それに、なんとなく、魔法が使える気がする。


 まず、魔力を手に集める。その後に、火や水など、出したいものをイメージし、魔力をイメージしたものに変換する。今までの俺はどれだけイメージしようが、魔力を変換する事ができなかった。


 イメージするのは、黒歴史に登場するヒロインが氷使いなので、氷をイメージする。


 「で、出来た!」


 手のひらには、拳ほどの大きさの氷ができていた。その他の属性も試してみたら、氷と水が出来た。早速、魔物に試したくなった俺は、魔物を探す。すると、モンスターハウスを見つけた。モンスターハウスは、魔物がいっぱいいる部屋のことだ。


 モンスターハウスに入ると、豚の顔をした人型の魔物、オークが50匹ほどいた。ちなみに、オークはB級の魔物だ。


俺に気づいたオークが一斉に襲いかかってくる。俺は動じることなく魔法を使う。目一杯の魔力を注ぎ、氷を発生させる。


 パキッ────


 魔法を使った後のモンスターハウスには、氷の世界が広がっていた。


 「やばッ!魔法すげぇー!」



 


 

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