第4話 実際に起こりそうで、実際に起こらないで欲しい話
いつもは17時に仕事が終わって帰路に着く。
しかし、昨日は残業をすることになって会社を出たのが18時過ぎ。
18時過ぎは帰宅ラッシュの時間が終わって道路を走る車の数も減少しているだろうと思っていれば、先を3台の車が連なって走っている。
自らの運転する車のスピードが出ていたため、あっという間に追い付いてしまった。
先頭を走る車がやけに遅く感じる。
しかし、車のスピードメーターの示す速度は法定速度を10kmオーバーしている。
外はほんのり薄暗く、大通りを左へ曲がると山道に入る。
連なって走る車の中から二番目を走っていた黄色い車が山道へ入らすに大通りを直進したため、4台連なって走っていた車のうち自分の車を含めた3台の車が連なって左に曲がり山道に入る。
仕事が終わって気が抜ける時間帯。一定速度で走る車が連なって山道を走っているため、徐々に眠気に苛まれる。
前を走る赤色をした車との車間距離が縮まってしまった。前を走る赤色の車が間近に迫る。
カーブに差し掛かって車体が走行車線の右側すれすれによってしまった。
前を走る車のナンバープレートも、はっきりと見える。
ナンバーは42-19。
コーヒー味の飴を食べて、眠気を誤魔化そうとしたところで前を走る赤色の車の左側のテールランプが点滅を始める。
車を少しずつ左へ寄せる赤い車を素早く追い抜いて、疑問を抱きつつバックミラーを確認すると左へ寄せられていた赤い車の車体が少しずつ走行車線に戻る。
先頭を走る車の後に続いたまま山道を走り続ける。
10分間山道を走り続けたところで、再び大通りに出る。
大通りに出てすぐに一つ目の信号で、先頭を走っていた車が右に曲がったため直進する自分の車は一気に加速した。
道幅の広い道路は見通しがいい。
赤色だった信号がうまい具合に青信号に変わっていく。
信号に引っ掛かることなく走り続けることが出きるなんて、今日は運が良いのかもしれない。
5分間走り続けたところで、信号が赤色に変わったためブレーキをふむ。
バックミラーを確認すると行き先が同じなのだろうか。赤色の車が止まっている。
後5分も走れば自宅に着く。
早く帰って風呂に入りたい。
飯を食って睡眠を取りたい。
信号が青に変わると再び一気に加速する。
遠くに見える信号のうち、一つ目の信号を越えて二つ目の信号を右に曲がる。
二つ目の信号を曲がると、すぐにスーパーマーケットがある。
スーパーマーケットを通りすぎて、薬屋を通りすぎたところで気がついた。
赤色の車が後に続いていた。車間距離をしっかりと保った状態で後に続く。
ふと、もしかしたら敢えてついてきているのではないのかという不安が過る。
さらに走るスピードを上げると、同じように後に続く赤色の車のスピードも上がる。
後3分もすれば自宅に到着する。
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