第4章

1. 最終決戦

 暗いステージが、いきなり虹色のスポットライトで照らされる。

 ライトの点滅に合わせて、射撃の音や剣でなにかを切る音が響く。

 ⋯⋯ついに、物語がコールガとの最終決戦に突入したんだ。

 

マーガレット「あなた、名前はマドノだったわね?」

マドノ「は、はい!」

 

 ステージが明るくなり、スクリーンには1体のコールガが映る。

 ステージ1階の中心には、マドノちゃんとマーガレットさんがいた。

 

マーガレット「あなたは、偵察や分析が得意なのね」

マドノ「わたし怖がりだから、他のことでみんなを助けようと思って⋯⋯」

マーガレット「なるほど」

 

 マドノちゃんとマーガレットさんは、ベゼルを向ける方向を変えながらシューティングを続けていた。

 

マーガレット「マドノ。 私のベゼルとあなたのベゼルをリンクさせなさい」

マドノ「ええ!?」

マーガレット「早くしなさい。 じゃないと、2体目と同時に戦うことになるわよ」

マドノ「わ、わかりました!」

 

 マドノちゃんが、くるりとタカチホを回す。

 そのあと、マドノちゃんを中心に、レーダーのようなエフェクトがステージに投影された。

 

マーガレット「ありがとう。 おかげで、弱点を狙えるわ」


 スクリーンのほうに向いたマーガレットさんは、その場でしゃがみながら、自分のベゼルを構えた。


マドノ「わ、わたしのおかげ⋯⋯!?」

マーガレット「あなたは自分に自信を持ちなさい。 そうすれば、もっと活躍できるようになる」

 

 マーガレットさんのセリフと共に現れたロックオンのマークが、ゆっくりと動き出す。

 

マーガレット「さぁ、マドノ。 あなたもコールガを狙うのよ」

マドノ「で、でも、長距離射撃なんて⋯⋯」

マーガレット「私がサポートする。 あなたは、私の合図でトリガーを引くだけでいいの」

マドノ「や、やってみます!」

 

 マドノちゃんは、マーガレットさんの隣でベゼルを構えた。

 そして、ロックオンのマークがコールガに重なる。

 

マーガレット「いまよ!」

 

 ドンッという音のあと、マーガレットさんとマドノちゃんが放ったレーザービームの映像が流れた。

 空間を切り裂いて飛ぶレーザービームは、コールガのボディに命中。 そのあと大爆発が起きる。

 

マドノ「やった!」


 爆発のあとの煙が無くなり、体に大きな穴が空いたコールガがスクリーン上に映る。

 ダメージを受けたコールガの姿を見て、マドノちゃんは嬉しそうな表情になった。


マーガレット「これでしばらく動きは止まる。 次に行きましょう」

マドノ「はい!」

 

 マドノちゃんとマーガレットさんはステージの上手に走って行く。

 同じタイミングで、ステージの下手からコウタとスペンサーがやってきた。

 

スペンサー「次はおれたちの番だな」

コウタ「はい!」

 

 コウタとスペンサーは、くるっとベゼルを回しながら、2体のコールガをにらんでいる。

 

スペンサー「おれはスピード、コウタはパワー。 それぞれの長所を活かせば、コールガにダメージを与えられる。 ただ、ムチャはするなよ」

コウタ「了解!」

 

 コールガが鳴き声を上げ、いきなり口からビームを撃つ。

 ふたりはとっさにしゃがんでビームを避けた。

 

スペンサー「思ったとおり、このコールガは改造されているな!」

コウタ「でもその分、パワーを使いすぎて細かい動きができない!」

 

 立ち上がったコウタはミハシをフルスイングして、後ろのついたてに叩きつけた。

 そのついたてには、ヒビ割れのエフェクトが投影される。

 コウタのフルスイングをまともに受けたコールガは、あの一撃でペシャンコになっていた。

 

スペンサー「なるほど。 コウタのパワーはサードレギオン⋯⋯いや、コーストガード内でトップクラスか」

 

 ステージの2階に上がりながら、スペンサーは人差し指に引っかけたベゼルをくるくる回す。

 ハンドガンのデザインをしているスペンサーのベゼルは、くるくる回すアクションと相性がいいのかもしれない。

 

スペンサー「なら、おれはスピードだ!」

 

 スペンサーがバンッと一発撃ったあとステージが暗くなり、スペンサーが持っているベゼルのコアだけが光る。

 

コウタ「これ、ミサキと同じ⋯⋯」

スペンサー「いや、おれのほうが速いぜ」

 

 スペンサーのベゼルから光が消え、完全に真っ暗になったステージ全体に、イナヅマのようなエフェクトが投影された。

 そして何回も切る音が響いて、コールガの鳴き声もした。

 

スペンサー「圧倒的なスピードがおれの武器なんだ。 ミサキが使ったスキルとは違うんだよ」

 

 次に、ステージ中をテレポートのような速さで動き回るスペンサーの映像が流れて、最後にステージの明かりが元に戻る。

 最後に、ボロボロになったコールガにベゼルを向けて、一発だけ銃撃を食らわせた。

 

コウタ「すごい⋯⋯」


 動きを止めたコールガを見て、感心するコウタ。


スペンサー「感心してる場合じゃないぞ。 俺たちはマーガレットたちのサポートだ」

コウタ「了解!」

 

 きちんと動きが止まったか確認したあと、スペンサーとコウタはステージの下手に向かって駆けた。

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