ステージが明るくなると、ステージ2段目にバーソルフとカルフーンが立っていた。

 ふたりの手には、同じデザインをした剣型のベゼルが握られている。

 

カルフーン「兄さん。 コールガが上陸間近だそうです」

バーソルフ「サードレギオンはどうしてる?」

カルフーン「それぞれペアになって、分裂したコールガを相手にするようです」

バーソルフ「その結果、ドロヴンの侵攻を許してしまっている、と?」

 

 ふたりはスクリーンを見る。

 そのスクリーンには、たくさんのドロヴンが映し出されていた。

 

カルフーン「いま、他のチームを後方に下げて、最終防衛ラインを設定しました。 ドロヴンを倒すことだけに専念すれば、今の戦力でもなんとかなります」

バーソルフ「そうか。 では、コールガはサードレギオンに任せよう」

 

 カチャリという効果音に合わせて、バーソルフは剣を構える。

 

バーソルフ「我々はアカデミーの防衛とドロヴンの撃破に専念せよと、伝えてくれ」

カルフーン「はい」

 

 バーソルフに頭を下げて、カルフーンが立ち去ろうとしたときだった。

 

ミナト「わたしも手伝うわ」

 

 ステージ2階の下手から、ミナトさんが現れたのだ。

 

カルフーン「ミナト!?」

バーソルフ「なぜ来た? ケガが治っても、まだ本調子ではないだろうに」

 

 バーソルフとカルフーンは、おどろいた様子でミナトさんを見ている。

 

ミナト「シューティングだけなら可能よ。 だから、わたしは校舎から射撃でサポートする。 元々、わたしのポジションはいちばん後方だしね」


 そう言いながら、ミナトさんは自分のベゼルを見つめていた。


バーソルフ「⋯⋯背中は任せるぞ」

ミナト「ありがとう、バーソルフ」

カルフーン「兄さん」

バーソルフ「いまは人手が足りない。 これ以上、サードレギオンに負担をかけるわけにもいかないだろう?」

カルフーン「⋯⋯そうですね」

 

 スクリーンの中。

 小さく映っている8個の影が、もぞもぞと動き出した。

 

ミナト「コールガが動き出したわ」

カルフーン「ドロヴンの動きも活発になっています!」

 

 ミナトさんとカルフーンは、観客席に向けてベゼルを構える。

 バーソルフは、ステージの中心で、観客席に背中を向けて立っている。

 

バーソルフ「さあ、我々も行こう」

 

 バーソルフは、持っていたベゼルを天高く掲げる。

 

バーソルフ「――出撃!」

 

 バーソルフは、ふり返りながらベゼルを振るう。

 ミナトさんとカルフーンは、シューティングをしてから走り出し、3人は舞台袖に引っ込んでいった。

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