ステージの全員が移動中に、激しく点滅するスポットライトに合わせて、切ったり、撃ったりする効果音が響く。

 シキシマはステージ2階の下手に移動していて、他のみんなはフェードアウトしていた。

 

 シキシマ「このヘヴリングは、固いウロコで身を守っているようだ」

 

 壁が割れる演出と共に現れたヘヴリング。

 シキシマは観客席のほうに向いたまま、ベゼルをわきの下に通して背後のヘヴリングを刺す。

 ヘヴリングはよろめきながら逃げ出そうとするけど、シキシマは追いかけながら何度も切る。

 

 シキシマ「こういった敵と戦うときは、ウロコの動きをよく見て、その流れとは反対の方向から攻撃を加えればいい」

 

 シキシマがベゼルをシューティングモードにして攻撃。

 撃たれたヘヴリングは、大きくジャンプして、背景側に移動する。

 

 シキシマ「マーガレット!」

 

 シキシマがベゼルを振ると、シキシマを照らしていたスポットライトが動いて、ステージ1階の上手で待っていたマーガレットさんを照らす。


 マーガレット「任せて」

 

 マーガレットさんは、大きなスナイパーライフルを構えた。

 同時に、ロックオンのマークがステージに投影されて、背景に小さく映るヘヴリングに重なる。

 

 マーガレット「狙いはカンペキよ」

 

 つぶやきながら、背景側に向いたマーガレットさんがトリガーを引く。

 放たれたビームはオーロラのような光に変わって、そのままヘヴリングに命中した。

 

 マーガレット「ウロコにヒビを入れたわ。 次はスペンサーね」

 

 マーガレットさんがランスみたいに構えたベゼルを振り、スポットライトが移動。

 そのスポットライトが、下手から走って来たスペンサーを照らす。

 

 スペンサー「ここからはおれとセネカの番だ」

 

 ハンドガンとオノが合体したようなベゼルを構えて、スペンサーは一気に段差を登る。

 そして、スペンサーの攻撃に合わせて、派手なエフェクトが投影された。

 

 スペンサー「セネカ!」

 セネカ「はーい!」

 

 次は、ステージ2階の上手から走ってきたセネカちゃんの持つベゼルに、スペンサーが自分のベゼルを重ねる。


 セネカ「どんどん攻めるよー!」

 

 セネカちゃんがスペンサーと同じデザインのベゼルを構えて、軽快な動きとともにヘヴリングを連続攻撃。

 その合間に、ヘヴリングの背後に回り込んだスペンサーが射撃をはさむ。

 パンフレットで兄妹と紹介されていたふたりは、兄妹らしく息の合ったコンビネーションで、ヘヴリングにダメージを与えていた。

 

 セネカ「次はミナトとミサキだね」

 スペンサー「あのふたりでトドメをさせるはずだ」

 マーガレット「そうね。 次で決めるわ」

 ミナト「ミサキ、ムチャはダメよ」

 ミサキ「心得ましたわ」

 

 下手に現れたミナトさんが、セネカちゃんとハイタッチしながら交代。

 上手に現れたミサキは、スペンサーにおじぎをしながら交代する。

 

 ミナト「このヘヴリングは、逃げ回るばかりでやりにくいわね」

 ミサキ「お姉さま、前に訓練でやったアレで、ヘヴリングを止められるんじゃありません?」

 ミナト「いいわね。 さっそく試してみましょ」

 

 ふたりは、持っていたベゼルを手元でスピンさせる。

 そのあと、ミナトさんがミサキに向かってベゼルを構えた。

 

 ミサキ「いきますわ」

 

 ミサキがシューティングモードで構えたベゼルでミナトさんを撃ち、ミナトさんが弾をはじく。

 はじかれた弾は、逃げていたヘヴリングに当たり、ヘヴリングはその場に転んだ。

 

 ミサキ「次です」

 ミナト「まかせて」

 

 ミサキは次々とミナトさんを撃ち、ミナトさんはまるで踊るような動きでベゼルを操って、弾をはじいた。

 はじかれた弾は全てヘヴリングに命中して、ヘヴリングはどんどんボロボロになっていく。

 

 ミナト「相手は弱っているわ」

 ミサキ「このあたりで終わらせましょう!」

 

 ボロボロになって動きを止めたヘヴリング。

 階段でベゼルを構えたふたりが、ヘヴリングに向かって突進する。

 

 ふたり「はああぁ!」

 

 ふたりが同時にヘヴリングを突いた。

 だけど、ふたりにトドメを刺されたはずのヘヴリングが、赤い光を放ちはじめる。

 

 スペンサー「このエネルギー反応は!?」

 セネカ「あいつ、自爆する気よ!」

 

 ステージ1階のスペンサーとセネカがさけぶ。

 

 ミナト「リーダー! ミサキをおねがい!」

 シキシマ「ミナト!?」

 

 ミナトさんはミサキを突き飛ばして、駆け寄ってきたシキシマがミサキを受け止める。

 

 ミサキ「お姉さま!?」

 

 ミサキはミナトさんに向かって手を伸ばす。

 

 ミナト「わたしは大丈――」

 

 ミナトさんがミサキに笑いかける。

 そしてヘヴリングが爆発し、ステージ全体が真っ白な光に包まれた。

 

 ミサキ「お姉さま!? お姉さまぁぁぁぁ!!」

 

 ステージが真っ白な光から暗闇に変わっていく間、ミサキがミナトさんを呼ぶ声だけが響き渡った。

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