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ミサキ「はぁぁっ!」
アコヤちゃんたちがフェードアウトしたあと、スポットライトが左右に動きながら青や赤に点滅する。
ステージ2段目の下手から現れたミサキは、剣の先を床にこすりつけたまま走った。
ミナト「低くいくのよ!」
上手側の段差を上がりながら、ミナトさんは剣を振り下ろしてヘヴリングを攻撃。
ミサキも、タイミングを合わせて剣を下から上にフルスイングした。
ミサキ「これでもダメなの!?」
ヘヴリングはひるむけど、ステルス能力ですぐにその場から姿を消してしまう。
ミナト「あいつ、ステルスを使ったわ! 周りに注意して!」
ミサキ「お姉さま、壁を背にしましょう」
ミナトとミサキさんは、それぞれ左右のついたてを背にして立つ。
すると、背景の壁にヘヴリングが現れて、エネルギーをチャージしはじめた。
ミナト「まさか、ビームを撃つ気!?」
ミサキ「ヘヴリングにそんな能力はないんじゃ⋯⋯」
おどろくミナトさんとミサキ。
ヘヴリングは、ミサキに狙いを定めて、ビームを撃った。
ミナト「ミサキ!」
ミナトさんがミサキの元へ駆け寄ろうとした瞬間、上手からサードレギオンの全員が出て来て、持っていたベゼルを構える。
それを合図にして、ミサキたちにバリアのエフェクトが重なり、ビームからふたりを守った。
シキシマ「待たせたな、ミナト」
ミナト「リーダー⋯⋯」
ライオンみたいなヘルメットを着けたヒトが、腰を抜かしていたミサキに手をのばして立ち上がらせる。
ミサキはぺこりとおじぎをした。
ミサキ「お姉さま、このヒトたちって⋯⋯」
ミナト「わたしがいるチーム、サードレギオンのみんなよ」
スペンサー「リーダー、おれたちでアイツの足を止める」
セネカ「ミナトとミサキは、ベゼルのエネルギーを補充して」
ミサキたちを攻撃しようとしていたヘヴリングを、スペンサーとセネカちゃんが追いかける。
ミナトとミサキは、スペンサーとセネカちゃんとすれちがうとき、持っていた剣をふたりのベゼルと重ねてエネルギーをチャージしていた。
シキシマ「時間がなくてふたりのベゼルは持ってこれなかった。 旧型のオジカですまないが、戦えるな?」
ミナト「問題ないわ、リーダー」
ミサキ「わたくしも、オジカは使いなれていますわ」
ミナトさんは剣を天にかかげて、ミサキは剣に手をかざす。
それを合図に、ふたりは色とりどりのスポットライトに照らされた。
ミナト「戦術リンク、完了」
ミサキ「これで戦えます」
ミナトさんとミサキは、ステージ1段目の上手と下手にそれぞれ移動。
ここからは、ふたりが得意とするポジションで戦うからだ。
ミサキ「あの、もしかして⋯⋯」
シキシマ「⋯⋯その話ならあとにしろ」
ステージ1段目の中心に立っていたシキシマとミサキが、すれちがう時に交わしたやり取り。
ミサキは、シキシマの事を知っているみたいだけど、シキシマは何も話そうとしなかった。
シキシマ「はりきりすぎるなよ、ミサキ。 おまえはまだ初等部の生徒なのだから」
ポジションについたミサキを見ながら、シキシマは言う。
セネカ「リーダー! ヘヴリングが止まらないよー!」
スペンサー「さすがにふたりだけじゃムリだ!」
背景に映し出されたヘヴリングと、ステージ2段目に出てきたスペンサーとセネカちゃん。
シキシマ「ミナト、ミサキにメンバーの名前を教えておけ」
かついでいた大きな剣を観客席側に向けながら、シキシマは指示する。
ミナト「ミサキ。 イヌのヘルメットをかぶった男のヒトがスペンサー、同じイヌのヘルメットの女のヒトがセネカ。 遠いポジションにいるネコのヘルメットのヒトが、マーガレットよ」
ミサキ「と、とりあえずメモを⋯⋯!」
ミナト「わかったから、おちついて」
ミナトさんから教わりながら、ベゼルに付けられている丸い球体に触れるミサキ。
ミサキたちが扱う武器ベゼルには、コアというパーツがあって、そのコアは透明な球体で再現されている。
シキシマ「ヘヴリング1匹に時間をかけるわけにはいかない」
シキシマが、まるで銃を撃つようなスタイルで剣を持つ。
ミサキたちの武器であるベゼルには、近接攻撃のアタックモードと、射撃のシューティングモードがある。
けど、舞台の小道具として作られたベゼルに変形なんてギミックは仕込めない。
だから、キャラクターを演じるキャストは、ベゼルの持ち方を変えて、アタックモードとシューティングモードを切りかえるんだ。
シキシマ「サードレギオン」
シキシマの号令を合図に、全員がベゼルをシューティングモードの持ち方で構える。
シキシマ「戦闘開始!」
シキシマがさけぶ。
ミサキたちは射撃をするようにベゼルを動かし、その動きに射撃の効果音が重なった。
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