ステージが暗転に合わせてフェードアウトしたミナトさんとミサキに代わって、上手に白衣を着た女の人が現れる。

 女の人の名前は、コーストガード・アカデミーの教官『洲崎すざきももえ』。

 アカデミーの教官であり、オペレーターとしてみんなをサポートしてくれる先生でもある。

 

 ももえ「偵察班より緊急連絡! 海浜公園にヘヴリングが現れたわ!」

 

 スポットライトに照らされたももえ教官が話し出す。

 

 ももえ「出現したヘヴリングは単体だけど、基地のレーダーでは反応を探知できなかった。 このヘヴリングは、ステルス能力を持つ改造型の可能性があるわ」

 

 ももえ教官の説明中、下手側にスーツ姿の女の人が現れる。

 その人の名前は、『三浦みうらアケミ』。

 ももえ教官と同じく、オペレーターをしている。

 

 アケミ「ミナトとミサキは自分のベゼルではなく、公園に配備している緊急用を使っているが、あの機体ではヘヴリングに有効なダメージを与えられないだろう」

 

 アケミ教官が説明している間に、ステージ2階に剣を持ったミナトとミサキが現れて、ヘヴリングと戦っていた。

 

 ミナト「このヘヴリングは改造型よ! 緊急用のベゼルでは有効なダメージを与えられないわ!」


 ステージ中に、ヘヴリングのツメとミナトさんが持つ剣がぶつかる音が響く。


 ミサキ「じゃあどうすれば!?」


 プロジェクションマッピングで投影されたヘヴリングの動きに合わせて、ミナトさんは攻撃を避けながら剣を振りつづける。

 ミサキは、剣を構えてるけど、足がすくんで動けない。


 ミナト「こいつを足止めして、サードレギオンが合流するまでの時間をかせぐのよ!」

 ミサキ「わ、わかりましたわ!」

 

 ミナトさんが攻撃するタイミングに合わせて、ミサキも必死に剣を振る。

 そのあいだに、ステージ1階に4人の人影が並ぶ。

 

 シキシマ「準備は良いか?」

 

 ライオンにもトラにも見えるヘルメットとシッポのアクセサリーを着けたヒトが、他の3人に声をかける。

 

 スペンサー「準備はできてる」

 セネカ「はやくミナトを助けてあげないと!」

 マーガレット「私は帰って休みたいわ」

 

 次に、イヌのヘルメットを着けたスペンサーとセネカさん、ネコのヘルメットを着けたマーガレットさんが、順番に返事をする。

 この4人が所属するチームが、東京や関東を守る存在⋯⋯サードレギオン。

 海の森コーストガードの代表として活動する、ミナトさんも所属しているチームそのもの。

 

 シキシマ「サードレギオン」

 

 シキシマが号令をかけて、全員がそれぞれのベゼルを構える。

 

 シキシマ「出撃!」

 

 サードレギオンは下手側へ走ってフェードアウトし、階段をミナトさんとミサキが駆け降りる。

 

 ミナト「サードレギオンが合流するまであとちょっと。 わたしたちで、こいつの足を止めるのよ!」

 ミサキ「ええ!」

 

 ミナトさんがヘヴリングの攻撃を受け止めて、ミサキが剣で突き刺す。 でも、ダメージは与えられない。

 

 ももえ「海野ミサキさん。 初等部の生徒とは思えない戦いぶりね」

 アケミ「実戦の経験は無いが、心を落ちつかせる才能と、前に出る勇気はあるんだよ」

 

 照明が暗くなり、ももえ教官とアケミ教官が、スポットライトに照らされたミサキを見守る。

 ミサキは、持っていた剣をテニスのラケットみたいにくるっとスピンさせながら、ミナトさんとステージ裏へ移動。

 同じタイミングで、ももえ教官とアケミ教官も舞台裏に引っ込んだ。

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