6.五日〇

 ×××××は何かの鳴き声で目を覚ました。鳥という種族の声だろう。

 大きく欠伸をした後、×××××は木目が特徴的な天井をしばらく見上げた。その後、ゆっくりと上体を起こして、枕元で鳴る不快音を発する金属の板を叩く。中々音が止まらなかったが、しばらく叩いて、ようやく音が止まった。

 小さく息を吐き、ほっと胸を撫で下ろした×××××はこれからやることを頭の中で思い出しながら壁の時計を見た。

 現在の時刻は5時00分。

 これからのルーティンを頭の中で反芻しながら、×××××は重い腰を上げた。そして、眠い眼を擦りながら、日差しを遮っている窓辺の布を勢いよく開く。その瞬間、薄暗かった室内が太陽の眩い光で明るく照らされ、あまりの眩しさに×××××は顔を顰めてしまう。

 ×××××は窓から町を眺めた後、自分が先ほどまで寝ていた布団を押し入れに詰め込んだ。その後、台所でお湯を沸かし、謎の黒い液体を記憶を頼りに作り始める。×××××はこれの美味しさが分からないが、その液体を胃袋に流し込み、ゴミ?の袋を持ってゴミ袋を置く場所に向かった。

 自室に戻った×××××は壁の時計を確認する。時刻は5時30分。×××××は着ている服を脱ぎ棄てて洗面所に向かった。体を綺麗にするためだ。

 慣れない手つきで体を綺麗にした後、×××××はよく分からない中が冷えている箱から栄養を補給するご飯を取り出し、ボタン一つでご飯を温められる四角い箱で温めてから食べた。その後、外出着に着替え、仕事鞄を持って部屋を出た。腕時計の時刻は7時00分。時計を満足そうに見た×××××は軽い足取りで職場に向かった。

 人の多さに酔ってしまう動く乗り物を数本乗り継ぎ、8時30分に職場に到着した。数人の人間に挨拶をした後、9時から仕事を開始した。だが、一時間ほど初老の人間に怒られ続けて仕事が出来なかった。どうやら昨日、×××××は無断欠席をしてしまったらしい。

 ×××××は必死に謝り、仕事に戻った。記憶を頼りに何とか仕事をこなし続けた×××××だったが、自分が昼飯を食べていないことに気が付いて焦った。しかし、どうする事も出来ない。

 初日という事もあり完璧には出来ないと自分に言い聞かせ、精神を落ち着かせた×××××は定時の18時00分で職場を後にした。

 アパート近くで夜飯を調達するのを忘れず、×××××はモモモ荘に帰宅した。そして、買ってきた夜飯を食べながら、金属の板を使って勉強をする。

 だらだらと勉強していると、既に時計の針は23時を回っていた。それに気が付いた堂場は慌てて体を綺麗にし、押し入れから布団を引っ張り出した。そして、電気を消して布団に入る。

 現時刻は23時45分。

 ×場×××は満足そうに微笑み、目を閉じた。

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