7.準備

 六畳一間の小さな部屋で×××××は目を覚ました。ここで迎える初めての朝に気持ちが高まる。特徴的な木目をした天井をしばらくの間、黙ったまま見上げる。これからやるべきこと……これからやらなければならないことを記憶から呼び起こす。


「ふぅ」


 ×××××は小さく息を吐いた。その時、枕元から大音量の不快音が響き始める。

 ×××××は耳を押さえてその場に丸まるが、不快音は鳴り止まない。


「ああ、ああああ!」


 耳を押さえたまま、×××××は音の発生源を確認する。


「な、ん、だ…………こ、れ、は」


 ×××××は音の発生源である金属の板をつまんで持ち上げた。板には、数字とスヌーズ、停止という文字が浮かんでいる。何をすればいいか分からない×××××は不快音を発する板を投げた。壁に当たり床に音を立てて落ちた後、ピタっと不快音が止まった。


「と、ま、っ、た」


 ホッと胸を撫で下ろした×××××は布団の上に正座し目を閉じた。

 今日はとりあえず、ここでの生活パターンの確認と勉強をしなければならない。×××××は記憶の奥底からの行動パターンを思い返し、紙にそれらを記入し始めた。

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