第6話 結婚

雫は、大学を卒業して


迷うことなく、中学校の国語教師になった。


それと同時に一人暮らしを始めた。




大学で英二と別れてから


いい感じになる人が現れても


雫が好きになることは無かった…




雫は、希望通りテニス部の顧問になって


生徒の指導に励んでいる。


毎日、朝練に…休日には試合…


日々、忙しくしていた。




気が付くと…雫は24歳になっていた。




そんな時…雫の中学校に


転任で、一人の男性教師がやって来た。


歳は27歳。


結構、イケメンだ…


名前は、淳…




淳と雫が仲良くなるまでに時間は掛からなかった…


淳は優しくて…面白くて…誠実で…


話しやすい人だった。


最初に誘ったのは、淳からだ…




「良かったら、今度の休みにご飯でも食べに行きませんか?」


雫は、迷うことなく…




「はい。行きましょう」


と言った。




そうして2人の時間を重ねて…


いつの間にか、淳のことを好きになっていた。


そうではない…会った瞬間から好きだったのかも…




付き合って欲しいと言ったのも、淳からだった…


雫は嬉しくて、すぐOKした。




忙しい時間を縫って学校以外で会うのも大変だった。


なかなか会えないから、盛り上がったのかもしれないけど…


そんな2人のことを考えて…


淳は一緒に住もうと言ってくれた。




そして月日は流れ…




淳は、雫にプロポーズした。




でも、あまりに幸せすぎて…


雫は、なぜか不安になった。


本当に、淳と結婚していいのだろうか…


あまりに悪い所がない淳に…


なぜか…不安を持ってしまった。


だから…淳には




「一応、少しだけ考えさせて」


と言った。




どうしようかと考えている時…


久しぶりにテツが現れた。




「雫ちゃん、本当に久しぶりだね。元気だったかい?」




「うん、元気なのは元気なんだけど…実は彼にプロポーズされたの」




「良かったじゃないか。なんで迷ってるのかな?」




「あまりに幸せ過ぎて不安だし…彼のことが分からなくなって…」




「どういう事?」




「彼は悪い所がないの…それが不安で」




「そうか…不安に思うこともあるよね。分かった映像を見せてあげるよ」




そう言って、テツは映像を見せた。




結婚した場合…


喧嘩もせず…夫婦仲良く暮らしている様子だった…




結婚しなかった場合…


雫は、1人寂しく生活していた…




雫は、1人になるのが怖くなった。


そんな人生は嫌だ!


そう思って…結婚することに決めた。


それに…淳を愛していたから…




淳に結婚すると話すと…


淳は飛び上がって喜んだ…




雫と淳は、結婚式をあげて…


みんなに祝福して貰った。


淳の両親も、とっても良い人…


雫は、幸せに包まれていた。

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