第8話 打撃のスレ民
本編の前にスレ民各人の詳細をほんの少しだけ明かすプチ番外編
少し遡る。
令和5年(2023年)10月30日(月)21時15分頃
総合格闘家志望の米山実が帰路についていた。
あの有名なジムで5年間、ずっと練習とスパーリングしていたが、
そのジムのオーナー兼トレーナーで元総合系格闘技世界チャンピオンに初めて、はっきりと言われたことが心に刺さった。
「米山君、君は才能がないよ。」
大学を卒業して以来、社会人になっても、総合格闘技に夢中になっていた。
休日でも熱心に通い、人一倍努力していた。
「会長、俺はずっと努力しているんですよ。」
「残念だよ、米山君。努力しても、手に入らないものがある。」
「そんなバカな、格闘用に改造したこの体と技を大会で披露したい。」
「無理だ。」
「試してみてくださいよ、俺は諦めない!!」
「わかった。小林君とスパーリングしてみろ。ダウンを奪ったら、考えてやる。」
小林君は大会の常連だったが、ほぼ最下位の常連でもあった。
「やります!!必ずダウン奪ってみせる!!」
米山が言ったものの、ジムの一番弱い格闘家との真剣勝負はあっけなく終わった。
彼は1分以内にマットに倒れて、意識を失った。
米山実はその日にジムを止めて、それからずっと仕事に打ち込んだ。
格闘家としての才能も技もなかったが、デザイナーとして優秀だった。
体のコンディションを維持しながら格闘技できないならば、ゲームでもと思い、格闘ゲームを買ったが、すぐにオンラインゲームへ移行した。
2028年2月17日(木)に運用開始したハンズフリー VRMMOゲーム、『幻想世界アシャティ』にすぐ参加し、有名なPKプレイヤーとして名を上げた。
彼が選んだキャラクターはギリシア彫刻に似たような外見をしている石のゴーレムだった。米川実はレオナルドダヴィンチの絵と彫刻が好きだったのでHNはダビンチ❤️にした。
そしてゴーレムを選んだ理由をもう一つだった。本人の意識の奥深くに巣窟していた外見、特に顔へのコンプレックスだった。ジムと筋トレしたおかげで肉体は素晴らしかったが、顔の不細工さは変わらなかった。
『幻想世界アシャティ』は2030年1月末日は不人気を理由に突如サービスが終了したのでしばらく落ち込んだが、別のオンラインゲームや人気のハンズフリー VRMMOゲームで遊んでも、あのクソゲーの最高峰のVRMMOゲームでまたPKをやりたかったとずっと思っていた。
夜中で掲示板を見ていたら、あるスレッドが目に入った。
2033.8.21 03:28
『幻想世界アシャティ』伝説のクソVRMMOを語ろうぜ その305
米山実が書き始めた。
10.ぷれいや~名無しさん投稿日:2033年08月21日 03:38▼返信
>>7
NPCっぽいと言われた人型ゴーレムだったw
その数分後、ノートパソコンの画面から出た強烈な光で目を閉じて、頭が引っ張れる感覚を覚えて、目を開けたら、曇り空の平野にゲームで使用していたアバターのままに立っていた。
彼のミイラ化した遺体が椅子に座ったまま、ルームシェアしていた彼の従弟によって朝方に発見された。
どこかの世界
日時不明
竜ノ助の能力は一定のレベルのあらゆる物理的攻撃を無効化していた。
得物を持たず、自分の拳のみで戦う『幻想世界アシャティ』のトップ10のPKの一人だった。
「どうした、マリっ子ちゃん?疲れたかい?」
自分と殴り合っているケンタウロスの女性戦士をからかった。
「竜人よ、あなたの攻撃が私に損傷一つ付けられませんね。」
「可愛い顔して、言うことがキツイぜ、マリっ子ちゃんよ。」
「私の名はマリ・コリーナル・マシァードルだ。からかっても、私には勝ってんな、竜人よ。」
「そうかな、ならばもう少し、力を解放しょうかな、覚悟しろよ、マリっ子ちゃん。」
スレ民、全員で決めた、敵に情報を与えないことを今までずっと守っていた。
仁義なき竜ノ助は今の40%の能力解放から50%に上げた。
彼は素早いジャブを放して、女性戦士の顔面に当たった。
マリ・コリーナル・マシァードル百人隊長が後ろへ飛ばされ、地面に倒れた。
彼女の鼻が折れていた上、歯をいくつか欠けた。
「少し本気になってみたぜ、マリっ子ちゃんよ。」
口から流れる血を手で拭きながら、女性の百人隊長が立ち上がった。
「やっと本気になったね、竜人よ。」
「ああ、悪いが、容赦しないぜ。」
ケンタウロスの女性戦士が自分に治癒魔法をかけ、一瞬で怪我を治した。
「私も本気を出すよ、竜人よ。」
「マリっ子ちゃんの本気とやら、見せてもらおうぜ。」
竜ノ助はもう一度ジャブを打った、女性戦士が両手でガードしたものの、また後ろへ飛ばされた。彼女の両手に痺れが残った。
竜ノ助は一瞬のうちに間合いを縮んだ後、女性戦士にストレートパンチとフック・パンチの連打を浴びせた。彼女が彼の連打を防御するのは手一杯となった。
「こんなに強かったとは。。恐ろしい異世界の竜人よ。」
女性戦士が血を吐き、構えながら、竜ノ助に言った。
「俺はこれでも本気じゃねえぜ。」
女性戦士の脳裏に一瞬、恐怖に支配されたが、すぐに考えを改めて、立て直した。
「かかってこい、異世界の竜人よ、このマリ・コリーナル・マシァードル百人隊長はただではやられない!!」
ケンタウロスの女性戦士が気丈に立って、構えた。
「お前のような勇敢な女性が好きだぜ。」
竜ノ助は素早く彼女の前に立ち、反応する前にボディーに重たいフックパンチ2発を素早く打ち込み、女性戦士が痛みでガードを下げたところで左のアッパーカットを顎に打ち込んだ。
また後ろへ飛ばされたマリ・コリーナル・マシァードル百人隊長は横向きで地面に倒れた。竜ノ助はジャンプし、倒れている彼女の顔面目がけに右のストレートパンチを叩き込んだ。
自分の顔面めがけて飛びながらパンチを繰り出そうとしている竜ノ助を見て、女性戦士が死を覚悟した。
「この遠征で父上の名誉を回復できなかった、無念だ。」
マリ・コリーナル・マシァードル百人隊長は覚悟を決めて、目をつぶり、一瞬で短い命を奪う拳が自分の顔面を破壊するのを待った。
竜ノ助の拳は彼女の顔面のすぐ横の地面へ叩き込まれた。地面が割れ、土が巻きがった。
「どういことですか?竜人よ。」
「どういこともこいうこともクソもねえよ。マリっ子ちゃんを殺したくないだけだぜ。」
「ええ?なぜですか?あなたは勝者です。私の命を奪えるはずだ。」
「気に入ったぜ、マリっ子ちゃん。俺と付き合ってくれねえか?強い女は大好きだぜ。」
20歳になったばかりのマリ・コリーナル・マシァードル百人隊長は驚き過ぎて、頷くしかなかった。
「どう?返事くれねか?」
「はい、強い竜人のあなたには逆らえません。」
「竜人、竜人って言うなよ。俺は竜ノ助だ、仁義なき竜ノ助だ。」
「はい、竜ノ助様。」
竜ノ助は女性戦士に手を差し伸べ、立ち上がるように手伝った。
その近く
ダビンチ❤️は二本の石のこん棒でケンタウロスの団員たちを殴り殺していた。
ヒト型を解除し、スライム型になった暴飲暴食ラムが襲ってくる団員を捕食し、溶かしていた。
「邪悪な異世界の化け物ども、我は栄光あるホリバール帝国重装騎士団、第三副団長、ペエドロ・カーズテジョ・テローナスだ。貴様らを葬る者だ!!」
角の生えたミスリルの兜をかぶっていた大型ケンタウロスがダビンチ❤️と暴飲暴食ラムを見ながら怒鳴った。彼は大剣を空に挙げた。
角を生えていたが、どちらかというとロバの耳を生やしている兜に見えた。
「我が精鋭部隊、【紅の鉛筆】!!!異世界の化け物どもを葬れ!!」
明らかに違う雰囲気を漂っている200体のケンタウロス団員が重装備で襲い掛かってきた。
「お前じゃないんか!!」
ダビンチ❤️と暴飲暴食ラムは同時にツッコンだ。
次回:ロバと暴れるスレ民
日本語未修正
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