第10話 束の間の休息

体育祭も中盤に差し掛かり、勇斗たちのクラスは一旦競技の合間に休息を取ることにした。炎天下での競技が続き、汗をかいた生徒たちは木陰やテントの下で一息ついていた。そんな中、勇斗、和真、花音、美月の四人は、校庭の隅に場所を見つけ、お弁当を広げた。


「さあ、みんなで食べようか!」と和真が声をかけると、それぞれが持ってきたお弁当を取り出した。お互いに見せ合いながら、和やかな雰囲気が広がる。


「美月、それすごく美味しそうだね」と勇斗が美月のお弁当に目を向けると、美月は照れくさそうに微笑んだ。「お母さんが作ってくれたの。いつも手伝ってるから、少しだけ自分でも作ったんだけど。」


「へぇ、偉いな。自分で作るなんてすごいよ」と花音が感心した様子で言うと、美月は少し赤くなった顔で「ありがとう」と答えた。


和真は自分のお弁当を開けながら、「この時間が一番楽しいよな」と言った。「競技ももちろん楽しいけど、こうしてみんなで一緒にご飯を食べるのが、なんだか特別な感じがする。」


「確かに、こうやって一緒に過ごす時間って大事だよね」と花音が頷きながら言った。彼女の言葉に、勇斗も心から同意していた。


「午後の競技も頑張れるように、しっかり食べておこう」と勇斗は言いながら、自分のお弁当を一口食べた。


四人はそれぞれのお弁当を味わいながら、楽しい会話を続けた。学校生活のこと、最近の出来事、そして体育祭への意気込みなど、話題は尽きることがなかった。


「午後のリレーも楽しみだね」と美月が言うと、和真が笑顔で答えた。「もちろん。みんなで力を合わせて、いい走りを見せよう。」


「うん、頑張ろう!」と勇斗もやる気を見せ、花音も明るく頷いた。


こうして束の間の休息を楽しんだ四人は、午後の競技に向けて気持ちを新たにし、再び戦いの舞台へと戻る準備を整えた。彼らの友情と絆は、体育祭を通じてますます深まっていくのだった。

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