第21話 真相

「でも、これはただの事故ではありません。ハーブを植えかえた人物がいます。三つ子さんたちが記憶喪失になったのは、その人物が原因です」


 そこまで僕が話した時、三つ子が次々と倒れていった。


 幸い病室だったため、三つ子は担架で運ばれていった。


 コトリ家の執事がその後を追い、ミルフィーユも病室から出ていこうとするのをアリンが止めて、


「お嬢様。話の続きを聞きましょう」


 ミルフィーユは大人しくアリンの言葉に従った。





 僕が入院している間に、三つ子の記憶が戻ったらしいが、記憶喪失だったころのことは、一切、覚えていないらしい。 


 今回の事故は、三つ子の父親がうっかり三つ子の見分け方を間違えたことが原因だった。


 それが原因で三つ子は友達ともめたらしい。


 そのことに頭にきた三つ子が、父親に苦いハーブを食べさせようと、市場でハーブを買ってきて、庭のハーブの一部を植えかえたのだった。


 結局、そのハーブはただのハーブではなく、毒入りだったのだが。


 真実を思い出した三つ子は号泣した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る