第15話 紅茶のハーブ

 僕は事件の概要を書き出してみた。


 三つ子の父親は仕事部屋で遺体で発見された。遺書はなく、紅茶から毒物が検出されたため、警察は服毒自殺だと断定。第一発見者はコトリ家の執事。三つ子の記憶喪失は医者が証明している。 


(毒殺事件か? ただの自殺か?)


 疑問点を消去するために、ミルフィーユを連れて庭に行った。 


(どこだ?)


 紅茶のハーブを探してみたが、なかなか見つからない。


「何か?」


 振り返ると、三つ子の一人が庭に出てきた。


 手首に青い布を巻いているので、ミミだとわかる。


「ハーブを探しているんです」


「それなら、こっちです」


 ミミは庭の一番奥まった場所に案内した。


 ハーブは一種類ではなく何種類もあった。

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