第13話 事件性

「まだ、調査中ですが、事件性がでてきました」


「どういうこと?」


 ミルフィーユが食い入るように僕を見つめる。


「探偵の勘です」


 簡潔に答えた僕に対して、


「なに、それ。あなた、それでも探偵なの?」


 ミルフィーユは呆れた顔をした。


「お嬢様。探偵の勘とは、仕事の経験による、直感みたいなものじゃないでしょうか」


「そうなの?」


 ミルフィーユが僕を見る。


「…そんな感じです」


(少し違うけど)


「ふーん」


 ミルフィーユは納得したらしく、それ以上、何も言わなかった。





 僕は仕事部屋で執事に話を聞いていた。

 

 警察の捜査結果と同じ結果になると思っていたが、探偵の勘によって他殺の可能性が出てきたのである。


「ご主人様は、別荘に着いてすぐに仕事部屋にこもられました。夜中に庭でお見かけしたのが最後です」


「庭で何をしていたんですか?」


「紅茶用のハーブを摘んでいらっしゃいました」

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