第6話 どこかで聞いた名前

「わかりました。相談に乗ります」


「アリン、聞いてくれるそうよ」


 少し離れたところにいた女性が、女の子の側まで歩いてくる。


(やっぱり、使用人と一緒か)


 僕は二人を連れて、すぐ側のカフェに入った。




 僕は事務所を持っていないので、仕事の依頼は全てカフェで受けている。


(今月の家賃、まだ、払ってなかったな)


 それくらい貧乏でも、闇雲に仕事を受けるつもりはないので、


(きちんとした依頼じゃなかったら断ろう)


 そう思いつつ、女の子と女性に名刺を渡した。


 女の子はミルフィーユ・プティング。アリンという女性は、ミルフィーユの教育係だった。


(プティング? どこかで、聞いたことがあるような…)

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