盲人

私は海をつぶさに見ることができる。

波の泡の一粒ひとつぶを

私の耳はつまびらかにする。

私は海から疎外されている。

波は私を誘うけれど

私は本当の意味で海に入ることはできない。

ひょいとその気になって足を浸したって

虚しいだけだった。

だから私は浜辺に座っている。

ときどきうろうろしてみる。

溺れ死んだって構わないと

ときどき思うのだが

やっぱり決心はつかないのだ。

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