貝
わたしは貝
むっつりと押し黙る
六つの真珠を抱いて
真珠と心中することは叶わぬ
わたしは死ぬが真珠は死なないから
わたしの心中は穏やかでない
波砕くこの岩のように
岩と波とはたがいに砕きあう
言わずとも理
永遠の競い
わたしは貝
岩と波とに揺すられて
自らをゆりかごとする
わたしは生きるが真珠は生きていない
わたしを殺し
わが子を殺す人間を
わたしは憎みはしないだろう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます