第14話 絶望への一矢

岸和田という男と遭遇した。

正直に言って岸和田はめちゃくちゃ最低な野郎だった。

私は激怒し岸和田を殴ろうとした。

だが岸和田の方が素早かった。


岸和田のクズを倒さないと話にならない、平穏はいつまでも来ないだろう。

そう思いながら勉強をしていた。

その中で。

才知さんが夢うつつになったので勉強を止める事になった。


「お疲れ様でした」

「そうだな。すまないな。怠け者で」

「何処がですか?当たり前の事じゃないですか?だって今日は散々でしたし」

「散々だったな。確かに」


そんな会話をしながら私は頭を下げる。

それから手を振る。

そして才知さんに微笑んだ。


「才知さん」

「あ、ああ。どうした」

「才知さんはその。例えばですけど将来、こうしたいっていうのが有りますか?」

「...そうだな。将来的には健康体で居たいよな。それからまあ。お前と過ごせる穏やかな日々を願ってるかな。それから言われた通りだけど決着をつけて穏やかに暮らしたい」


そう言いながら才知さんは肩をすくめた。

私はその姿に苦笑いを浮かべる。

それから私は才知さんの手を握った。

そしてまたにぎにぎする。


「私も同じ意見です。ただ穏やかに幸せに過ごしたいですね。...その為には倒さないと。やはり...薮三もそうですが」

「...そうだな」

「岸和田も倒さないと...彼ら彼女らは生きるに値しない」

「絶対に殺すなよ。2人を。お前が手を出したらマジに負けだ」

「...確かにですね」

「俺は...余裕を持った方が良いと思う。そうお前に思う」


私は言葉に黙る。

それから才知さんの手をにぎにぎをまたする。

そして私は才知さんの手を頬に添えた。

才知さんはその事に恥ずかしそうに反応した。


「私は呆れる程の悪い世界を生きています。その世界を変えて才知さんと一緒になるのが将来の夢です。...協力してくれますか。変換させるのを」


私は震える声で告げると才知さんは頷きながら笑みを浮かべた。

それから私の方を見てくる。

才知さんはそれから私の手を握った。

初めての反応だ。


「お前が例えばどうなろうとも助けてやるから」

「才知さん...」


そして才知さんは私の手を離した。

それから才知さんは私の頭を撫でてくれた。

そうしてから才知さんはニコッと笑む。


「今日は有難うな」

「そんな。私の方こそ。有難う御座います。才知さんが居るから笑顔になれますから」

「...何というか。すまん。いつまでも立ち話もなんだ。もう解散しようか」

「そうですね。そうしましょうか」


私はニコッとしながら彼を見つめる。

彼は私を見てから微笑む。

それからそのまま別れてから私は部屋に戻る。

そして私は胸に手を添える。

心臓がバクバクと跳ねていた。


「あは、あはは。私...恥ずかしいなぁ。恥ずかしい。本当に大好きだよ。才知さん」


赤面しながら悶える。

それから真っ赤になり続ける。

身体の温度は既にマックス。

本当にボルテージが上がりまくっている。


「恥ずかしいけど。最高に愛おしい。だからこそ確実に仕留める。必ず私は...この愛をものにしてやる」


私はそう誓いながらニヤニヤする。

それから私は笑顔になりながら才知さんを想った。

本当にあるべき姿の全てを愛を持って晒したい気分である。


「えへへ。大好きだよ。才知さん」


それから私は歪んだ笑みを浮かべた。

そして私はそのまま室内に入った。

才知さんには悪いけど私は才知さんが好きだから...この歪んだ感情は忘れないと思う。



何か強烈な寒気を感じた。

俺は!?と思いながら周りを見渡す。

だが何も無い。

なんだったのだろう。


「...」


俺はジッと画面を見る。

スマホの連絡先に鮫島の文字がある。

大丈夫だろうかコイツ。

そう考えながら俺はスマホを閉じた。

それから俺はシャワーを浴びようと思い浴室に向かう。


「やれやれ」


そう言いながら俺はシャワーを浴びた。

それから俺はそのまま上がってからスマホを確認するとそこに着信があった。

俺はスマホを開くと鮫島から5分前に電話が入っていた。


「もしもし。鮫島か」

『よ。無事に帰れたかあの後』

「ああ。その節は迷惑かけたな」

『ああ。まあ気にすんな。有難う。っつーか俺が普通は頭を下げるべきなんだが。すまんな』

「...岸和田だが...奴はどうなった?」

『しらねぇな。実際、マジに接点無いしな。最近は』

「成程な」

『...何にせよ。俺はもう周りに迷惑はかけたくねぇから何とかする』


その言葉に俺は考えてから顎に手を添える。

それから少しだけ考えた。

そして答える。


「あくまで分かった。だけど俺はお前が心配だから。絶対に無理はすんなよ」

『...ああ。お前の言葉を心の中に刻む様にぶちこんでおくよ。有難うな』


鮫島は頭を下げる様に話す。

その言葉に俺はまた少しだけ考えてから顔を窓の外に向けた。


「なあ」

『ああ。なんだ』

「お前は岸和田と和解とかしたいのか?」

『まさか。岸和田は死ねって感じだな』


俺はそんな言葉にまあそりゃそうだろうなと思いながら窓に触れてから椅子に腰掛ける。

それから鮫島に話した。

少し複雑になりながら、だ。


「取り敢えずまた話し合いだな」

『まあそうなるか。振り出しだろうし』

「...だな」


それから俺はそのまま鮫島の言葉を聞きながら居るとインターフォンが鳴った。

俺は鮫島にことわってからそのままインターフォンに返事をした。

そしてドアを開けると。

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