第12話 浮気相手

俺は藪三と決別する。

今度こそと決断してから...放課後になって俺は牧田と帰宅する。

それから俺は牧田と一緒に藪三を呼び出し。

公園で接触した。

藪三は警戒心を露わで俺達の前に現れる。


「...才知。どうしたの」

「決別する。お前と今度こそ。...そして疑うがお前は...俺達に何かしたか」

「...何かしたっていうのは」

「とぼけるな。お前、牧田を危険に晒しただろ」

「...」


牧田を見る藪三。

俺は「...お前のせいで不良に4人絡まれた。...良い加減にしろ」と怒る。

すると「良い加減にするのはアンタらの方じゃないですかね」と声がしてきた。

奥を見るとそこに男が居る。

すると俺の背後から更に声がした。


「...鹿野」

「...は?鮫島?オイ待て。どうなっている」

「そいつは俺の親の別親の息子で義弟。...ちょっと話があって呼び出したんだが。まさかこの時間だったとは」

「...え?義弟...え!!!?!」

「言って無かったか?俺の親は腐っているってな。生ゴミだ」

「...ま、まさか。そんな馬鹿な事が」


俺は目の前の男を見る。

めっぽう不良だった。

金髪の舌のピアス。

欠陥品だと思えるその男は俺達を見ながら「おにいちゃーん。何をしているのかなぁ?」と聞いてくる。


「...お前は愚弟だな。マジに。...お前こそ何をしている。何でその女。藪三を寝取ったんだ」

「な...!?」

「そこのふにゃちんがマジにふにゃちんだからだろ。だから俺の彼女になってもらったんだよ」

「...信じられない...汚らわしい」

「あ?何か言ったか」


まさかそんな事になっているとはな。

そう思いながら威圧する牧田とそのクソ野郎を見る。

牧田を後ろにした。

それから「お前名前は」と聞く。

すると「俺は岸和田だけど?何だよ」と笑顔になる。


「...気を付けろ。岸和田のクソ野郎だが...喧嘩強いし...しかもなんていうか卑劣だし...救いようがねぇ」

「そうなのか」

「いやいや。おにいちゃん。クソじゃね?それ言うとか」

「お前がクソ過ぎてな。...まあ計り知れなくクソだけど」

「いや。正直さ。テメーも大概だよな。おにいちゃん。...正直、呆れたよ。いきなり真面目になってさぁ?仲間を捨てて?勿体無いねぇ」

「そういう道に残っているお前がクソだよ。岸和田」


そして鮫島は「...俺は妹の為に全て捨てたんだから」と言う。

すると岸和田は「あの妹?お前女みたいだよな。あんなの救っても意味ねぇだろ」とゲラゲラ笑う。

すると何か凄まじいオーラを感じた。

それは牧田だった。


「撤回しろ」

「撤回?する訳ねぇだろ。あのポンコツの妹救っても意味ねぇの」

「この野郎!!!!!」


牧田が襲い掛かる。

一瞬の差で牧田が動いてしまった。

すると岸和田が平手打ちを牧田にかました。

牧田はそのまま地面に蹲る。

俺は青ざめて駆け寄る。


「牧田さん...っていうか女に手を挙げるとかマジに屑だなお前」

「俺としてはそっちが襲い掛かって来たって事で警察訴えたいんだけど」

「...」

「...あ?やんのかコラ?」

「...やらない。俺はそういうの引退したから」


鼻血が出ている。

そんな牧田を心配そうに見ながら鮫島は静かな目線で岸和田を見る。

すると「も、もう止めよう。こういうの」と藪三が言い始めた。

鮫島は「お前さ。藪三。蚊帳の外って思って居るかもしれないけど。お前も大概だぞ。...お前が鹿野を裏切ったのは永遠に忘れないからな」と怒る。

藪三は「...」となって俯く。


「うーん。で。何の話だっけこれ」

「...お前と決別するって鹿野が言った。だからその話し合いにしたかったんだが。お前が余計な真似をするから破綻した。クソ愚弟が」

「お前さぁ。いい加減にしろよ?口答え。...正直、不愉快なんだけど」

「...あくまで鹿野を傷付けたからな。お前も藪三もだが」

「だから言ってんじゃん。俺は鹿野がふにゃちんだから貰ったまでって」

「...」


何も言えなくなる鮫島。

そしてゲラゲラ笑う岸和田を見据える。

俺は鼻血が止まらない牧田を心配げに見る。

すると鮫島は「クソ愚弟が!!!!!」とキレてパンチをかました。

だがそれを岸和田が避けて腹にめり込ませた。


「鈍いんだよ。そういう何もねぇ拳はな」

「...」

「クソ義兄が。死ねよ」


岸和田は「まあそれは置いて。じゃあな。クソ野郎の皆さん。っていうか攻撃なら止めないよ。俺。そもそもお前らの事、気に食わねぇし」と笑顔で去って行った。

俺はそのサイコパス野郎と藪三を見送ってから「大丈夫か。鮫島」と聞く。

すると鮫島は砂地を殴った。


「愚弟過ぎる」

「...落ち着け。鮫島」

「クソ野郎が。アイツが居なかったら。通帳から金を持っていかなければこんな事にならなかったのに」

「...それはどういう...!?」

「アイツはクソ親から全てを受け取った。金を持って行った」

「...」


「その金は...妹の治療費だったからな」と苦笑する。

俺は「待て。それは警察に...言ったのか?」と聞いた。

すると鮫島は「アイツは丁度、13歳8か月だったのもあったけど。...それ以外にも家庭内の揉め事だと警察は相手にしなかった」と言った。

それから「...ブランド品ばかり好んで買い漁る屑の遺伝子とかは遺伝したみたいだな。中学生の時からの癖でな」と地面に涙を落とす。

牧田が鼻血が止まったみたいで立ち上がる。


「...そうなんですね」

「...牧田ちゃん。大丈夫?」

「力任せでしたけど。...だけど身を引いて取り敢えず避けましたから」

「...そうか」


鮫島はその場に腰掛ける。

それから「クソッタレが」と呟いてから空を見上げる。

そして「はぁ」と言ってから体操座りをした。

俺達はその姿を見つつ何も言えなくなる。


結論から言って。

話は岸和田のせいで決裂した。

鮫島はずっと愚弟の事を謝っていた。

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