第8話 撃破
先輩と一緒に業務用スーパーを周る。
それから先輩を見る。
先輩は子供の様に無邪気そうな感じでお菓子とか選んでいた。
その姿が本当に愛おしく感じる。
本当に本当に、だ。
「先輩はお菓子好きですか」
「まあな。パッキーとか好きだぞ」
「チョコがかかったものが好きなんですか?」
「そうだな。...基本チョコが好きだな。だけどプロテインの様なお菓子も好んで食べるかな。筋肉に良いし。タンパク質とかも」
「そうなんですね。...じゃあ...今度お菓子を一緒に作りませんか」
そう言ってみる。
意を決して言った。
すると先輩は「?...良いのか?」と笑みを浮かべる。
良かった。
滅茶苦茶な反応じゃなかった。
「良いですよ。先輩と一緒なら」
そして私は先輩に笑顔になる。
それから私達は...というか私は。
つい買い過ぎた。
焼きそばソースだけ買おうとしたのに...いけないな。
「ねえ。先輩」
「ああ。どうした」
「お夕食作ります。一緒に食べましょう」
「...は!?」
先輩は驚きながら私を見る。
私はニコッとしながら「助けてくれたお礼に焼きそば作ります」とニコニコした。
すると先輩は「そ、そうなのか」と赤面した。
それから歩いていると目の前から男が来た。
そして背後からも横からも男が来る。
つまり囲まれた。
「...お前ら。何だ」
「俺達さ。所謂、友香のダチっていうかそんな感じなんだわ。頼まれたから来たんだよねぇ」
「そーそー。あの子泣かせるとか最低だね。君ら」
「...」
私は困惑しながら居ると「取り敢えずこの子だけでも逃がして良いか」と先輩が前に出た。
すると「逃がす訳ねぇだろ。タコが」と先輩に平手打ちが飛んだ。
それから先輩は怯む。
私は「先輩!」と言いながら駆け寄る。
いきなりとか最低すぎる。
「待て。...手を出すな。牧田。俺だけで良い。犠牲は」
「で、ですけど...」
「良いから。お前は絶対に手を出すな」
「格好良いねぇ」
「そーだなー」
そんな私達にそう言いながらニヤニヤする。
すると。
いきなり背後から「はいドーン!!!!!」と目の前の男が激しく殴り飛ばされた。
そのまま男は脳震盪でも起こしたのか気絶する。
そして現れた人物は。
来栖さんだった。
「君ら何をしているの?その人達は私の大切な人なんだよ?」
「...テメェコラ!!!!!クソアマ!」
「うんうん。威勢だけ良いねぇ。だけど私達に勝てるかな?そうやって卑怯な手を使うばかりのボンクラが。つーか誰?君ら」
「俺達は頼まれたんだよ。死ねよコラ」
それすらひらりと躱した。
それから男に裏拳を使ってから顎の下からぶちのめす。
思いっ切り正拳を使う。
そして地面に叩きつけた。
「私の質問にまだ半分しか答えてないよ。...君達は何がしたいの?」
「ぐぅ...俺達は...重本さんに頼まれてな!!!!!」
「誰だよそれ?分からないから気絶して良いよ」
そしてそのまま顔面を殴ってから気絶させてから私達を見てから残りの2人の男を見る来栖さん。
「貴方達も?」と笑顔になりながら、だ。
すると男の1人が焦ったのか先輩を人質にした。
「来るな!コ、コイツが見えないか!?死ぬぞ!」
ポケットナイフっぽいものを先輩に押し当てる。
私の心がざわっとした。
それから「何をしている...」と威圧する。
先輩を殺したらマズいんだけど。
私、血管が切れるよ?
「...私は良いけどさ。...だけど彼女を怒らせたね?君。アッハッハ。命は無いよ」
そして私は怒り任せに投石する。
それから石は男に命中した。
私はそのまま襲い掛かりポケットナイフを威圧のまま男の眼球にそのまま押し当てようとした。
その手を「牧田。そこまでだ」と先輩が止める。
男はひぃひぃ言って小便を漏らしていた。
「...殺すな。何の得にもならない」
「だけど先輩。私は...」
「...こんな平手打ちの傷。浅いよ。...こんなんでコイツらゴミを殺してもどうしようもない」
すると最後の男が「お前ら...なんなんだよ。...マジ死ねよ!!!!!」と言ってから同じ様に青ざめながらポケットナイフを取り出した。
それで襲い掛かって来たが先輩は躱してから関節技で決めた。
関節が外れる音がした。
「話の途中で申し訳無いけど。...俺はお前らを殺すなとは言ったけどお前らを傷付けるな、とは言ってねぇ。そんな感じで調子に乗るな」
「ぐ、ぐあぁ...」
「痛いよな?その痛みを身体に刻め。覚えておけ。...二度と俺達に関わるな」
そして先輩は倒れて悶えている不良達からゆらりと立ち上がってから手を叩いて笑みを浮かべる。
私は「...」となりながら先輩を見る。
そして来栖さんを見る先輩。
「南子。有難うな。助かった」と言う。
来栖さんは「夕飯を買いに来たらこれよ。...えっと。取り敢えずサイレンも聞こえたし逃げよう」と苦笑した。
それから私達は猛ダッシュでその場を逃げた。
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