第7話 濃霧
☆
「...」
私は考え込んでいた。
それは何を考えていたかといえば。
先輩とエッチな事をしてしまった事を。
何というか...私は気が狂っていると思ってはいる。
だから成り行きで大丈夫かと思ったがクッソ恥ずかしかった。
「はぁ...」
静かに私は周りを見渡す。
それから横になってからそのまま悶える。
ぁぁあああ!!!!!
と思いながら、だ。
でも真面目に先輩が好きだ。
「...だけど」
先輩が好きで通る訳が無い。
それを実行に移さなければ恐らく先輩は私に振り向かない。
そう思いながら私は咳払いをする。
それから「...」とまた考える。
「...そうなるとやっぱり私は先輩に振り向いてもらう様に行動しないとな」
私はそう言いながら目の前を見る。
それから私は「...」と考え込む。
邪魔な...というか。
多分絡んでこないと思うけど...だけど。
もし絡んできたらだけどインシデントは排除しなくては。
「...ふふ。待って居て下さいね。先輩」
ゆっくり私は考え込む。
それから先輩の居た場所に向かって手を振る。
そして私は立ち上がる。
そうしてから私は...家事をし始めた。
「あ...そういえば焼きそばソース買ってなかった」
今日の夕ご飯に焼きそばを作るつもりだった。
私は考えてから財布を持ってからそのまま家を出た。
そして駆け出して行く。
すると...目の前の人が歩いている中に女子高生を見つけた。
何か印象深い女子高生で...。
「...アンタ...」
「はい?」
「...牧田三毛?」
「...そうですけど」
「...そう」
私に対してそう言いながら「...」となる相手。
この女まさか。
そう思いながら「...何処に行く気ですか」とジト目で聞く。
すると相手は「...アンタには関係無いでしょう」と相手から言われた。
「そうはならないですよ。貴方、藪三さんですね?」
「...そうだけど」
「...なら話が別です。...何の用ですか。帰って下さい」
「もう一度だけ会いたいから」
「させませんよ。何の真似ですか。ふざけた真似をしないで下さい」
「貴方には関係無いでしょう」と言いながら藪三は言う。
私は「残念ながら関係有ります」と言う。
それから「私は彼を守っていますから。貴方から」と答える。
すると藪三は「...!?」となった。
「...それってあの人が好きって事」
「それも有りますね。それで貴方みたいなのから守っています」
「...私は才知に対して...確かに失礼な事をしたけど」
「したけどなんですか」
「もう一度やり直せるって思っているから」
「...は?」
私は持っていた財布を落とした。
小銭が散らばる。
だけどそんなもんどうでも良い。
今何つった。
彼女に詰め寄る私。
「...猛烈にふざけた真似を言いますね。...アンタのせいで先輩がどれだけ苦しんでいるか知りませんかね」
「...な、何」
「な、何、じゃないです。アンタみたいなのはSNSに暴露しても良いんですけど」
「...それをしたら私だってアンタを...」
「私はどうなっても良いです。先輩が全てですから。だからお前を倒す為に私は全てをなげうっても構わないんですよ」
私の言葉に藪三は「...!」となる。
それから息を飲む声がした。
正直、私の魂がどうなろうが関係無い。
そもそも私は先輩の...。
そこまで思っていると「オイ」と声がした。
「...才知...!?」
「先輩」
「何をしに来たんだお前は」
「...才知に会う為に来た」
「馬鹿じゃ無いのか?俺はお前に会いたくはない」
「...才知。ゴメン。切り捨てたから。...だからもう一度」
「無い。死ね」
先輩はそう言いながら私の手を握る。
それから「財布落としたんだな」と言いながら小銭を拾った。
そして私に笑みを浮かべる。
私は「はい」と片付けた。
「...何でそんな女と親しくするの」
「答えは簡単だな。お前がありえない事ばかりするから」
「だってソイツだってあまり良い噂...聞かない」
「それは何をもってして?」
「...噂だけど...」
「ハハハ。笑わせんな。確かに彼女は悪い部分もあるけど。お前程じゃねーよ」
そう言いながら私の手を握る先輩。
私はその言葉に赤くなりながら居ると先輩は財布を持たせてくれた。
それから先輩は藪三を威嚇する。
「もう二度と近付くな。この場所に」と言いながら、だ。
藪三はその言葉に「...」となってから困惑する。
「...私は...」
「どんな言い訳も通用しない。お前は汚れている。お前自身が全てを悔い改めたらどうだ。先ずはな」
「...」
藪三は涙を浮かべる。
それから静かに泣き始める。
私達はその傍を通り過ぎてからそのままスーパーに向かった。
そして「ったくな」と先輩が言う。
「有難う御座います。先輩」
「...俺は何もしてない。...あのクソがオーバーに叫ぶから何事かと思ってな」
「...そうですか」
「俺はお前の事をこれでも心配しているから」
「...そ、それは言わなくて良いかもです」
業務用スーパーに来てから私達はそのまま中を散策し始めた。
先輩はその中でも複雑な顔をずっとしていた。
可哀想に見えた。
本当に藪三には...恨みしか無い。
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