第6話 筋肉に惚れた♡
牧田三毛。
彼女の性格が良く分からない。
とても良い子だとは思うんだけどな。
そう思いながら俺はその破廉恥な後に牧田と一緒に勉強をしたりした。
それから俺は横にある自室に帰った。
「...」
クソッタレめが!!!!?
俺は真っ赤になってから悶える。
あの野郎!あそこまでさせるとは!
そして、き、キスだと!
俺は真っ赤になる以上の真っ赤になる。
「クソクソ!恥ずかしい!!!!!」
俺もそうだが牧田も何をしているんだ!
くそう!恥ずかしい!
ああぁ!!!!!
そう思いながら俺はボスボスと枕を殴る。
それから息を整えた。
「...と、とにかく。筋トレすっか」
そう呟きながら俺はゆっくりその場から起き上がる。
それから頬を叩いてからそのまま筋トレをする為に着替えた。
そしてトレーナーなどを着てから筋トレを始める。
すると電話が鳴った。
「もしもし?」
『おかぁさんよぉ』
「...それは分かる。既にスマホの画面にそう書かれていた」
『冷たいわねぇ』
「...母さん。...牧田三毛にとんでもない事をしたな?」
母親だった。
俺はジト目になりながら筋トレをしつつスピーカーにした。
それから返事を待つ。
すると母さんは『合鍵造りたいって言ったから教えたまでだぁよ』と言う。
信じられない事をするな!
「母さん!?」
『大丈夫。彼女なら安心って思ったから』
「お陰様でとんでもない目に遭っているけどな!!!!!」
『え?とんでもない目?』
「...あ。いや。何でも無いけど。...とにかく!勝手に鍵の情報を人に教えるな!?」
『はーい』と母さんは申し訳無さそうな?感じで返事をする。
本当に納得したのかコイツ。
そう思いながら俺はダンベルを持ち上げる。
すると『それはそうと済ませたの?』と言ってくる。
済ませたってのは何が。
『キッスとか』
「ぶはぁ!!!!!」
ダンベルを落としそうになる。
俺は慌てて抱え上げた。
それから母さんに「何を言っているんだ!」とツッコミを入れた。
すると母さんは『いやぁ。だってあれだけ才知が好き好き言っている女の子だしぃ?』と笑顔の様な感じで話してくる。
俺はダンベルを抱えながら溜息を吐いた。
「知ってるだろ。母さん。それは無いって」と言いながら、だ。
『でもでもぉ。キスぐらいやるでしょ。だって男の子でしょ?』
「や、やらないからな」
『あれ?何だか反応が...』
「良い加減にしろ!!!!?」
俺はスマホに慌てて言う。
すると母さんは『まあ冗談は置いておいて。恋は良いよ?本当に』と話す。
『お父さんに惚れたのも私がマネージャーだったから』とも。
俺は「...」となってから沈黙する。
「...母さんは...父さんに怒っているのか」
『まさか?やりたい事をやって死ねたんだから。...それはそれで...』
だけど声は涙声だ。
俺は「...」となりながら少しだけ眉を顰める。
すると『才知は...確か山岳救助隊になりたいんだよね?』と母さんが話してきた。
俺は「まあな」と返事をする。
母さんは『うん。頑張らないとね』と言ってくる。
「...母さん?」
『私は全然、貴方のやる事には反対しないからねぇ』
「...そう言ってくれるのは母さんだけだよ。...彼女も反対だそうだ」
『あれ?彼女?』
「彼女ってのはそう言う意味じゃ無いぞ。切るぞ」
『待って待って。冗談だってばぁ』
母さんはそう言いながら『でもそうね。反対しているのね?牧田さん。彼女は』と苦笑しながらの感じで話す。
俺はその言葉に「まあな」と返事をする。
そして俺は考え込む。
私は先輩がそういうのは御免です。...死んでほしくない。
その言葉を思い出した。
それから俺は溜息を吐きながら「母さん」と言う。
すると『なぁに?』とニコニコしながらの感じで返事をする。
俺は「...どうしたら良いかな。俺。...何だかジレンマだ」と苦笑いを浮かべる。
大切な人を悲しませたくない。
だけど。
『お前はお前らしくのびのび生きろ』
「...?」
『お父さんの言葉だよ。...亡くなる前に遺して行った言葉。...ねえ才知。貴方は...目標を挫けずいつも突っ走って来たよね』
「...ああ」
『たまには立ち止まってから考え直すのもありだと思うな』
「...!」
俺は衝撃を受けながらその言葉を聞く。
ダンベルを持つ手が止まる。
そして『まあ私が言っても止まらないだろうけど』と苦笑する母さん。
確かにな。
そうなのかも知れないな。
「...母さんはどうして父さんと一緒になったの」
『筋肉に惚れた♡』
「...そうか」
『っていうのは冗談だよ。...あの人の熱心な感じに惹かれた』
「...」
『だけど息子にはとても甘かった。...そしてさっきの名言。大丈夫だよ。お父さんも見ているけど止まって良いんだよ』
「...母さん。アンタ本当に母親だよ」
そうか。
俺は疲れていたんだな。
突っ走り過ぎていたのかもしれないな。
そう考えながら俺はダンベルを置く。
それから「有難う」と呟いて椅子に腰掛けた。
『うん。で。牧田さんだけど』
「ああ」
『今度紹介して♡』
「無理だな。牧田はその。そういう関係じゃない」
『またまたぁ。横の部屋に越して来た癖に♡』
「何で知ってんだよ」
いや待て何で知ってんだ。
そう思いながら俺はジト目で母さんに反応した。
すると母さんは『だって息子の事だよ?愛しい愛しい息子の。だからそういうのは反応しないと。...でもその。牧田さんとえっちな事は禁止よ?まだ貴方達の年齢では早いわ』と話す。
ビクッとしてしまった。
「...」
そしてさっきのエッチな光景を思い出す。
マジにエッチだった...。
エロかったよ。
イカンイカン煩悩が...。
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