第5話 ラブコール

牧田。

彼女は本当におかしい...という訳では無いのだが何かが欠落している。

俺はそう思いながら牧田を見る。

牧田はジャングルジムから降りてから歪んだ笑みを浮かべる。


「...牧田がどうしてそこまで粘着しているのか分かった気がしたよ」

「簡単に言うと私の家族も浮気。...姉が浮気されました。だから簡単に言うと復讐はアリだと思いますよ。マジに」

「...」

「私は浮気は許しません。絶対に許さない。家族の為に鬼になる事にしたんです」

「牧田...」


牧田を見る。

歯を食いしばりながら牧田は前を見る。

それから牧田はスゥッと感情を消す。

そして「先輩。今はもう忘れましょう。今だけ、ですけど。お部屋で遊びましょ」と牧田は笑顔になる。


「...分かった」

「うんうん。それでこそパイセンです。アッハッハ」

「...牧田は...その。俺が浮気されてムカつくか?」

「はい。物凄いムカつきます。腹立たしいですよ?アッハッハ」

「...」


そしてパスワードを入れ、玄関のドアを開ける。

それから俺にニコッとして部屋に入る様に促してきた。

俺は「すまない」と言ってから家の中に入ってから彼女を見る。

すると何を思ったか。

彼女はオートロックを閉めた。


「ま、牧田?」

「罠に引っかかりましたね。パイセン。私はあくまでパイセンが好きですよ?逃げないで下さいね。アッハッハ」

「な、何をする気だ!牧田!」

「ここって結構、喘ぎ声を出しても気が付かれないんです。防音なんです」

「!?」


「それはどういう意味か分かりますか?」と牧田はクエスチョンを言う。

俺は「...確かに分かるが。だが早すぎる」と話した。

すると牧田は「早すぎる事はありません。女性は早めに妊娠した方が良いって言いますしね。世の中」と言った。

俺はゾッとしながら牧田を見る。


「牧田。駄目だ。早すぎる!しかも俺達はまだ付き合ってすらいない!」

「私は妊娠には先ず、付き合う必要は無いと思っています。大好きという感情さえあれば何でも良いんですよ。世の中」

「意味が分からない理屈を延べるな。俺は反対する。先ずはお前で興奮しない!」

「それは無いですよ。先輩。この世の中の反対の性は興奮するって決まっています。さあ先輩。大人しく私とセックスして下さい」


そう言いながら髪を解いた牧田。

それからプチプチと胸元の服を脱ぎ始める。

俺はその姿に「...!」となる。

胸が大きい...とか言っている場合か!


「牧田!良い加減にしろ!」

「私はあくまで先輩が愛おしいですから」

「...」


俺は真っ赤に赤面する。

よく見ると牧田は震えている。

それから俺は「...クソッタレ」と思いながら牧田を押し倒した。

牧田は「!」となって俺を見上げる。


「...あ...」

「覚悟の上だな?だったら覚悟しろ。俺に襲われろ」


そして俺は牧田の太ももに触れる。

その手を段々と上にした。

すると牧田はビクビクしながら太ももを揺らす。

じわっと汗が噴き出てきている。

牧田は赤くなり始めた。


「覚悟の上でやるんだからな」

「ま、ま、待って!パイセン!ほ、本気で孕ませるつもり!?」

「当たり前だ。子種を注ぎこんでやるわ!」

「っ!?」


俺はぐるぐる目を回しながら牧田を見る。

何をしているんだ俺?

そう考えながら牧田を襲撃していると。

牧田はマジに恥ずかしくなったのか。

俺を突き飛ばした。


「パイセン。やっぱ無し...」

「やっとそう思ってくれたか...」

「せ、先輩がそんな積極的になるなんて思わなかった...」

「舐めるな俺を。男を舐めるなよ」

「あ、はい」


そう言いながら怒る。

それから「あくまでお前は女子。俺はお前の行動は浅はかと思う」と牧田に告げる。

すると牧田は「は、はい」とシュンとなる。

あくまで俺の忠告が効いた様だった。


「だけど先輩以外は襲いません」

「そういう問題じゃねーよ...」

「じゃあどういう問題ですか」

「どういう問題って。牧田。付き合って無い時点で全てが問題だ!」


俺はそう説教をする。

牧田は「...じゃあこれぐらいなら良いですよね」と俺の両頬を手で挟んだ。

それからキスをしてきた。

まさかの行動に衝撃を受ける。


「何をしてんだ!」

「先輩。私はあくまで先輩が好き。大好きです。だから私は先輩にキスをしました」

「...!」

「私、先輩が本当に好きなんです。だから」

「やっちまったもんは仕方が無いけど...お前な...もう」

「心の底から先輩が好きですから」


牧田はそう話しながら俺を見てくる。

そして牧田は俺を抱きしめた。

それから牧田は俺を見てから笑みを浮かべる。

無邪気な笑顔を浮かべて見せた。


「なあ。牧田」

「はい」

「お前、胸大きいな」


「先輩のえっち」と言われた。

その言葉に俺は「お前の方がスケベだぞ。何だよ俺を襲うって」と話した。


すると牧田は「...先輩が取られちゃいますし」とボソッと呟いた。

また我慢していたが赤面せざるを得なかった。

クソッタレめ。

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