第一章 二話

 スフォン様にはただ自由に生きてほしかった。

私とスフォン様と出会ったのは7歳の時だった。

 今は亡き水の都ステリアは水の精霊とは共存共栄といっていほど密接しており、ここまで発展できたのは精霊の力と教えられてきた。

 そして、唯一水の精霊と交友することが出来るのがこの女王。スフォン様の母君様。別名水の巫女様とも言われている。

 そのため、この国決定権は女王と定められている。


 スフォン様が誕生された際、ほとんど人達が喜んでいたと聞く。この国は安泰だとか。

 代々、水の巫女様は女性に継承されていて国王が嫁ぐことになっている。スフォン様の兄第一王子は生まれながらに優秀だが巫女ではないためスフォン様がまだお腹の中にいた頃から期待されていたと聞かされた。


 私の父は国に仕える近衛騎士で伯爵という地位にいる。厳しい人だった。私が4歳の時に子供が使える練習用の木剣を持たされ、ほぼ毎日剣術を教え込まれた。今でも思う。よくあんな小さい私に剣術教えようとか思ったよね。一応女の子だよ? 私。だから、厳しい父は苦手というより嫌いだった。逆に母は優しく甘えたい時に甘えさせてくれから好きだった。


 よく父がレシアお前はスフォン様に仕えるために生まれたんだ。と何回も言われた。その度になんで顔も見たことない人に仕えないといけないのか不思議だった。多分、父は最初からそのために私に剣を握らせたんだろう。

 私の人生はスフォンとかいう知らない子に奪われた。そう思った。だから、嫌いだった。会いたくなかった。


 父の紹介でスフォン様と会うと言われた時、内心父の次に嫌いな人。私の人生を奪った子とか色々な嫌な感情が出てきた。


 時間というのは残酷で嫌いな子と会う日がやってきた。

 その日、父は満面の笑みでとても喜んでたと思う。しかし、私は笑みを作れるような表情は出来ていなかったと思う。なぜか、今回会ってしまえば私の人生は決まってしまうからだ。覆すほどが出来ないほどに...。親の取り決めというのは子供が何言っても無駄だからだ。


 だから、私は父が女王様と挨拶を交わしている間、花を摘みにとか言って、隙を見て逃げた。多分、あの時私が人生初めて父に反抗した日だったと思う。


 そのあとの私は王城から逃げ出そうと思ったが迷ってしまい、ただひたすらに歩いていた。そこでふと大きな扉を見つけて、気になり扉を開けりことにした。

 その部屋に入ると広い空間に大量の本が本棚に置かれている部屋だった。

 決まった人生以外を歩めない私は本の世界が好きでよく時間を見つけては読んでいた。私はその日一番の笑顔が出来ていたと思うぐらい色々な本見てを回った。だから、気付かなったのだと思う。


 「君本当に本が好きなんだね。私は英雄譚の本とか恋愛系が好きなんだ」


 水色の髪の少女がいたことに......。後に気付くがこの日が世界で二番目に嫌いな女の子スフォン様と私が初めて出会った日だった。

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故郷を取り戻す為、王女は戦いに向かう @sino_2002

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