パーティー

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授業が終わって、俺はダンジョンへ向かった。今日はザベルのために魔石を集めるため、4階層のボブゴブリンを倒しに行く。あそこはピンポン玉サイズの魔石しか取れないけど、数は多いからな。

4階層なら危険は少ないからスーツには着替えなくても大丈夫だろう、たぶん。


ダンジョンの入口にある魔法陣から4階層のセーフエリアに転移すると、前に来たときとは違い他のクラスの生徒がたくさんいた。


(ここは人多いんだな!)

 

「ああ、もしかしたらあまり場所が空いてないかもしれないな」


セーフエリアを出て草原のエリアに出ると、案の定、多くの生徒たちがボブゴブリンと戦っていた。

興味深く観察してみると、大抵が4〜5人のパーティーで行動しているみたいだな。

バランスのいいパーティーだと、前衛で剣と盾を持ってヘイトを集める戦士、メイスを使って後方の魔法使いを守りながら、癒しの魔法で仲間を治療する神官、素早く動き回りボブゴブリンにナイフを突き刺して、ヘイトを分散させる盗賊、そして後方から高威力の魔法でボブゴブリンの数を減らしていく魔法使いみたいな感じで戦っている。

中には戦士ばかりのパーティーもいるみたいだが、それはそれで上手くやれているみたいだ。


「俺もああいう風になるはずだったんだけどなぁ」

 

(太陽には一緒に冒険する仲間はいないのか?)

 

「ん?お前がいるだろ」


(そうか!俺か!)


ザベルが嬉しそうに言う。実際うちのクラスのやつらは個人で行動してるやつが多すぎてパーティー組めそうに無いんだよな。いやまぁ俺もそうなんだけど。


草原を進むが、どこもかしこも生徒たちがボブゴブリンの集落で戦っていて、俺の入る隙間がない。ボブゴブリンを倒して魔石を集める予定だったが、これじゃどうしようもないな。


「仕方ない、5階層に行くか」


セーフエリアに戻るには少し距離がある。そこで近くにあるボスがいるボブゴブリンの集落へ向かうことにした。だが、そこでも誰かが戦っていた。


戦っていたのは、以前セレスと決闘していたCクラスのコウキだった。コウキは両手にガントレットを装着して、見事な体捌きで革の装備を着たボブゴブリンたちを殴り殺していっている。

遠方にいる魔法ゴブリンが炎の玉を放つが、コウキはそれを巧みに避け、次々とボブゴブリンを倒していった。


コウキはそのまま、全てのボブゴブリンを倒しきった。

そして集落の奥から一際体格の良いゴブリンが現れる。革の装備に加えて、大きな鉄製の大剣を構えている。以前俺も戦ったボスだな。


コウキが大剣ゴブリンと向き合う。大剣ゴブリンは一瞬の沈黙の後、獣のような雄叫びを上げ、その大きな体をぶつけるかのように突進してきた。

接近した大剣ゴブリンは、その巨大な剣を容赦なく振り下ろす。しかし、コウキはまるでその攻撃を予見していたかのように最小限の動きで横に避けると、隙をついてゴブリンの顔面に拳を叩き込んだ。

拳がめり込む音が響き、大剣ゴブリンは一瞬怯む。しかし、すぐに体勢を立て直し、再び大剣を振り回して反撃してくる。

コウキは後ろに飛び避け、大剣ゴブリンの攻撃をかわすが、すぐに距離を詰めて大剣を振りかぶり、猛攻を仕掛ける。

しかし、コウキも冷静にそれを見極め、瞬時にガントレットを付けた手で大剣の軌道を横にずらした。

重い剣の衝撃が彼の手に伝わるが、大剣ゴブリンに隙が生まれる。


コウキはすぐにゴブリンに接近し、猛然と拳の連打を叩き込む。彼の動きは無駄がなく、一つ一つの攻撃が確実に大剣ゴブリンにダメージを与えていく。すると大剣ゴブリンは苛立ったように再び雄叫びを上げた。

大剣ゴブリンは、必死にコウキを仕留めようと再び剣を振り上げる。しかしコウキはそれを冷静に避け、ゴブリンの足を狙って鋭い蹴りを放ち、強制的に膝をつかせた。


コウキはすかさず、大剣ゴブリンの顔面に強烈な膝蹴りを叩き込む。大剣ゴブリンの巨体が揺らぎ、そのまま倒れ込んだ。倒れた大剣ゴブリンの顔面に、コウキは怒涛の勢いで拳を叩き込み続ける。

その一撃一撃に込められた力が大剣ゴブリンを確実に追い詰め、最終的には光の粒子に包まれて大剣ゴブリンは消滅した。


すると階段が現れ、コウキは下りていった。

コウキが下りると階段は再び消え、集落にボブゴブリンたちが復活した。


「いやぁ良いもの見れたな。さてと、いい加減5階層に行くか」

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