異種族
次の日、学園に登校し、サユリ先生の授業が始まる。
「昨日、悪魔という友好的種族が確認され、公表されました。もしこの学園内や学園のダンジョンで発見された場合は、必ず学園の職員に知らせてください。」
ザベルは大丈夫…だよな?学園長も知ってるし。
「それでは、今日は異種族についての授業を行います。異種族とは人間以外の種族のことですね。
まず異種族が現れたのは、当然ですがダンジョンが現れだした2030年からですね。当時は今ほど関係が良くなく、いざこざも多々ありました。今日は日本との関わりが深い種族について紹介していきます」
サユリ先生は黒板に大きく「異種族」と書き、いくつかの種族について説明し始めた。
「まずはエルフとダークエルフです。エルフとダークエルフは魔力量が多く、魔力回復も非常に早い魔法職に向いた種族です。そしてエルフの国では10歳になると、魔法系のスキルオーブが授与されます」
へぇ、そりゃ良いな。ミラが炎の魔法で、メリスが雷だったか、てことは幼い頃から魔法の練習してたのかね。戦うの上手かったし。
「エルフとダークエルフの国には、直径約2キロメートルの巨大な樹木『世界樹』が存在し、その周囲に国を築いています。1年に数枚しか落ちない世界樹の葉で作る薬はあらゆる病を治すことで有名ですね。
そして周囲は大きな樹木の森で囲まれており、当初、今まで見かけることもなかった人間が突然現れたことで警戒され、戦闘に至ったこともあったそうです」
サユリ先生の話はさらに続き、次の種族の説明に移る。
「次は獣人です。獣人は身体能力が非常に高く、動体視力にも優れています。そして獣人はその姿が獣に近ければ近いほど、より強力だと言われています。」
そういやこのクラスにもいる狼、狐、猫の獣人もそうだな。やっぱ種族的に優秀なのが集まってるんだな、このクラス。
「獣人の国は広大な草原にあります。そこには多種多様な獣人が暮らしています。獣人関係で有名なのは勇者と獅子王との決闘ですね。
戦いを好んでいた獅子王は日本との交流を始める前に、人間の中で一番の強者と戦いたいとの要望があり、勇者と決闘を行いました」
サユリ先生が教えてくれた話は何回も聞いたことがある。てか勇者は有名な話がたくさんあるんだよな。
「そしてその決闘で勝利したのが勇者でした。その結果、獅子王は勇者を気に入り、獣人の国は日本との交流が始まりました」
サユリ先生は黒板に図を描きながら、さらに話を進める。
「次に紹介するのはドワーフです。ドワーフは非常に力が強く、手先が器用なため、様々な武器や防具、アクセサリーを作ることに長けています。彼らの国は荒野にあり、そのおおらかな性格から特に大きな衝突もなく、日本と交流が始まりました。今ではドワーフの作るアクセサリーや武器は高値で取引されています」
他のクラスにも確かいたな、まだ喋ったことはないが。
「次に紹介するのは鬼人です。鬼人は非常に力が強く、身体も頑丈な種族です。鬼人の国は草原にあり、昔の日本に近い文化を持っていることから衝突も少なく、スムーズに交流が進みました」
「次は天使ですね。天使は種族の特性として癒しの力を持ち、身体能力も高く、魔力量も多い種族です。天使は1年前、浮遊島のダンジョンにある神殿で確認されました。
彼らは穏やかな性格で、交流もすぐに始まりましたね」
このクラスにも1人いるな、性別がどっちだか分からないとてつもない美形の天使。そういえば喋ったところ見たこと無いかもしれん。
「そして最後に紹介するのは竜人です。竜人は全ての能力が優れている種族で、強力な炎のブレスを放つことができます。竜に近い姿に変身することで全ての能力をさらに向上させることができます。
竜人の国は巨大な山の頂上にあり、そして異種族の中で日本と戦争を起こした唯一の種族です」
竜人くんさぁ…ほんとに怖いよね。確か竜人側が戦争を起こした理由は日本を支配するためだったはずだ、実際竜人の国があるダンジョン付近の地域は次々と支配されていったはず。
「その戦争では両者ともに甚大な被害を被り、最終的には、勇者、獅子王、聖女、エルフの賢者、鬼人の将軍が協力して竜王に戦いを挑みました、その戦いで竜王が敗れたことによって戦争は終結し、現在では平和な交流を行っていますね。
そして竜王は今でもご存命です」
サユリ先生は最後に、黒板にまとめを書き加え、話を締めくくった。
「これで授業は終了です。もし興味がある種族があれば、図書館でさらに調べてみてくださいね」
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