解散

5000PVありがとうございます。

応援,ブックマーク,評価ありがとうございます。励みになります。

これからもよろしくお願いします。



_________


しばらく遺跡の中を歩いていると、メリスがふと俺の首元を見つめながら、興味深そうな声を出した。


「ねえ、黒木くん。それ、首のところにあるやつ、呪い?」


「ん?」


俺は思わず首元に手を当てたが、すぐに何のことを言っているのか察した。セレスが付けたやつのことか。

その様子を見ていたミラも、俺の首元に目を向けてきた。


「ホントだ、なんかの呪いっぽいね。良い解呪師知ってるから紹介しようか?」


ミラは親切に提案してくれて、俺がどう説明しようか迷っていると、彼女はふと真剣な顔つきになってもう一度俺の首元をじっくりと見つめた。


「…ん?ちょっと待って、これって…竜人族のマーキングじゃない?」


『竜人族の?』『え?』『あーあ、目つけられちゃったのかw』

 

その言葉にコメントの流れが少し早くなる。

メリスも驚いて目を丸くし、俺に顔を近づけてきた。メリスはじっくりと俺の首の模様を確認している。


「アッハハハ!マジだ!これ竜人族のマーキングだよ!ってことは…もしかしてセレスさんから?」


彼女がケタケタと笑いながら言うと、俺は少し苦笑しながら頷いた。


「まぁ、その…ちょっとした成り行きで」


そう言うと2人はキャーと言い盛り上がる。

成り行きと言っても、あれはかなり無理やりな形だったが。

その話を聞いたメリスはさらに興味を持ったようで、ニヤニヤしながら話を続けた。


「成り行きって言っても、マーキング付けられるほど気に入られたってことは勝負に勝ったんでしょ?竜人に勝つとかやるじゃん」


「偶然だよ」


俺は少し照れくさそうに頭をかきながら答えた。

談笑しながら進んでいるうちに、急にミラが前方を指さした。


「お、階段発見!しかもボス無しじゃん、ラッキー!」


その言葉に俺たちは立ち止まり、目の前の階段を見つめた。いつもは魔物が立ちはだかることが多いが、どうやら今回は運良く何もいないようだ。

メリスも笑いながら軽く肩をすくめた。


「楽でいいわー。正直かったるいからね」


「ねー!」


俺たちはそのまま階段を下り、次の階層である6階層に進んでいった。階段を降り切りセーフエリアに到達する。

 

「そんじゃ切り良いし私たちはここで帰るけど、黒木はどうする?」


「俺は…6階層チラ見してから帰るかな」


ミラは元気よく笑みを浮かべながら頷いた。


「おけ!今日は黒木が手伝ってくれたおかげで楽しかったよ!ほんと助かったわ〜」


メリスも手を振りながら、にこやかに別れの挨拶をしてくれた。


「ばいばーい!また一緒に探索しようね〜」


2人はセーフエリアの中央にある魔法陣に乗り帰っていった。

2人が帰った後、俺は6階層のセーフエリアを出て洞窟を抜けると、荒野のエリアに出た。

少し歩くと、鉱石が露出している岩があちこちに点在していた。


「この辺じゃ鉱石が採れるのか。高く売れたりするのかね」


俺は興味深げに周囲を見渡しながら歩き続けた。その鉱石は何やら独特な輝きを放っているように見える。

そんな鉱石を見つけて感心していた矢先、前方に見覚えのある生物が動いているのが目に入った。

巨大なサソリ、3階層で戦ったあのボスモンスターだな。それが至る所で歩き回っている。


「バカみたいにいるな」


驚きながらも、俺は試しにその中の1匹を狙って氷のトゲを生み出し放ってみた。

氷のトゲは鋭く飛び、サソリに命中する。前回はその硬い外殻に跳ね返されて苦戦したが、今回は深々とサソリの体に突き刺さり、サソリは倒れて光の粒子に包まれた。


「レベルが上がったから魔法の威力も上がったのかね」


そう思いながら、俺は周囲を再度見渡した。サソリの魔物はまだ何匹か見えるが、わざわざ戦う必要もないなと思い俺はセーフエリアへ戻った。

魔法陣を使ってダンジョンの入口へ転移し、いつもの商業エリアへと足を運んでドロップ品買取所に向かい、これまで集めた魔石をすべて売却した。

買取所の店員が手際よくポイントを計算してくれると、探索者カードにポイントが追加され、36100ポイントになった。

俺はすぐにリュックを道具貸出所に返却しに行き、次はステータス鑑定所へと向かった。


今日の鑑定所は前回より空いていて、待つことなくすぐに鑑定を受けることができた。

俺は鑑定機の前に立ち水晶に手を置く。すると機械が静かに起動し、水晶が光り始める。

数秒の間、機械が作動した後、紙が機械から出てきた。俺はその用紙を受け取り、中庭に向かった。


中庭に着くと、ちょうど日が差していて穏やかな風が吹いていた。

俺はベンチに腰掛け、用紙を開いて確認する


______


名前: 黒木太陽

種族: 人間

ジョブ: 道化師 Lv.9

 

ステータス

生命:89

魔力:65

筋力:60

頑丈:51

俊敏:102


ジョブスキル

『火吹き』Lv.2


スキル4/10

『氷魔法』Lv.3

『浮遊』Lv.2

『スケルトン召喚』Lv.2

『触手』Lv.1


______


「火吹きレベル2に上がってたのか、変わった感じしなかったな」


氷魔法もレベル3になってるし、順調は順調か。触手があれでまだまだ威力が上がるって考えると有能スキルだな。というか俺もうスキルの枠4個も埋まってるのか、。

それでステータスは…頑丈が少し低いのが気になるけど、俊敏は百越えたし、生命の伸びもいいし、悪くない。


「そういや明日土曜か、ちょっと出かけるかな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る