エルフとダークエルフ
俺はスマホでダンジョンマップを開き、5階層の探索を再開した。先ほどとは別のルートを選び、まだ行っていないエリアを目指す。
道中、いつものように浮遊を使いながら、スケルトンを2体召喚し、火吹きを使う。
今更だけど、これ傍からみたらやばいやつだな。
石造りの壁に刻まれたよく分からない模様を見ながら中を進んでいると、少し広めの空間にたどり着いた。そこで誰かが戦闘を繰り広げている音が聞こえてくる。
「誰だろ」
俺は足を止め、そっと覗き込んでみた。そこにはクラスメイトのエルフの女子とダークエルフの女子が、10体ちょっとのオークと戦いを繰り広げていた。
彼女たちはオークたちの攻撃を上手くかわし、連携をとりながら剣と魔法を駆使して戦っている。
さらに彼女たちの周囲にドローンが飛んでいるのが目に入った。どうやら配信をしているみたいだ。
それを見て邪魔しちゃ悪いかと思い、その場を立ち去り別の道から行こうとすると、エルフの女子が俺を見つけ、声を上げた。
「あー!!黒木くーん!ちょっと手伝ってくんね!?うちら魔力量怪しくてさぁ!!」
その声に反応し、俺は少し迷ったが彼女たちの援護に向かうことにした。
スケルトン2体に「オークを殺せ」と命令すると、オークたちへ走っていく。俺も浮遊を切り、スケルトンたちを追いかけるように走る。
エルフの女子は炎の魔法を使い、ダークエルフの女子は雷の魔法を駆使してオークたちと戦っていた。
彼女たちは見事な連携で、互いに援護し合ってヘイトを分散させ、オークたちの攻撃をうまく回避しながら反撃している。
スケルトンたちがオークに斬りかかると、ダークエルフの女子が嬉しそうに笑いながら言った。
「マジ助かるわ!」
そう言いながらダークエルフの女子が雷を放つ、それをくらったオークは体を痙攣する、それにダークエルフの女子は剣を振るって倒す。
エルフの女子は炎の玉を生み出しオークの1体に放つと、そのオークは焼け焦げて倒れた。そしてスケルトンに気を取られているオークに剣を振るって倒す。
(これ俺いなくても倒せてたんじゃないか?)
そんなことを思いながらも戦っていき、そして最後のオークを切り裂いて倒した。
「いやー助かったわ!もう魔力かつかつだったから焦ってたんよ!」
エルフの女子が息を切らしながら言った。俺は役に立てたことにほっとしつつ、周囲に目をやると無数の魔石が散らばっていた。
「随分たくさんいたんだな」
俺がそう言うと、ダークエルフの女子がテンション高く話し始めた。
「そう!あいつらバカみたいに仲間呼びやがってさぁ!たぶん30匹以上は倒したんよ、マジやばくね!?」
彼女の興奮した様子に戸惑いつつも、俺は少し驚きながら話す。
「あいつら仲間呼ぶんだ」
「そうなのよ!オークってデカい分無駄に耐久力あるから集団で来ると厄介なんだわー!鼻息荒くて気持ち悪いし!あっ!魔石いくつか貰ってく?」
「いや、いらないかな」
「おけー!」
ダークエルフの女子はそう言いながら、魔石を拾い集めていた。俺も彼女たちを手伝って魔石を拾う。
てかこの2人テンションたっかいなマジで、派手なメイクだから所謂ギャルだとは思うんだけど。
「ありがと!黒木はまだ探索すんの?」
「そうだね、まだ全然時間あるし」
それを聞くと、エルフの女子が楽しそうに提案してきた。
「じゃあ一緒に行こうよ!その方が楽しいだろうし!」
「ハハハ、いいね。じゃあ一緒に探索しよっか」
こうして、俺たちは3人で5階層の探索をすることにした。
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