周回

保健室を出た俺はムサシとケイルに別れ、まだお昼だったので当初の予定通りダンジョンへ向かった。

俺は学園のダンジョン入口近くにある道具貸出所に向かい、いつものように魔法のリュックを借り、すぐに魔法陣に乗って4階層へと転移する。


セーフエリアに到着すると、草原エリアに向かって歩き出した。

そして草原に着くとスケルトンを2体を召喚して着いてこいと命令する。そして俺は浮遊スキルを発動させて、火吹きを使いながら移動を始めた。


「俺の火吹きもセレスと同じぐらいになればいいんだけどなぁ〜」


あいつのはスキルでも何でもない、ただ生物として備わっている機能の1つでしか無いんだけどな。

セレスがレベルを上げてスキルも獲得しちまったら、もう勝てることないだろうし、そう考えたらいい経験だった。

そんなことを考えながら進んでいると、遠くにボブゴブリンの集落を見つけた。昨日と同じように集落には20匹以上のゴブリンがいるようだ。俺はすぐにスケルトンに命令する。


「殺してこい」


スケルトンたちはカタカタと顎を鳴らしながら、集落に向かって突進していく。スケルトンたちが集落に突入すると、ボブゴブリンたちは驚きながらも迎撃しようとするが、スケルトンの剣が次々とボブゴブリンを斬り伏せていく。

俺はスケルトンたちの援護のために氷のトゲを生み出して集落に向けて放った。氷のトゲはボブゴブリンたちに突き刺さる。ついでに氷魔法のスキルレベルも上がれば上々なんだがな。 

すると数匹のボブゴブリンが俺を見つけてこちらに接近してきた。

俺は大剣ゴブリンからドロップした黒剣を鞘から抜き取る。

接近してきたボブゴブリンに黒剣を振り下ろすと、その刃は驚くほど滑らかにボブゴブリンの体を切り裂いた。


「すっげ、なんだこれ」


黒剣の斬れ味に感心しながら、次々と接近してくるボブゴブリンに黒剣を振るい、斬り伏せていく。

スケルトンたちも同時に戦っており、集落はあっという間に壊滅した。集落が静まり返った後、俺は周囲を見渡し、スケルトンたちが全てのボブゴブリンを倒したことを確認した。


俺はリュックを背負い直し、集落から回収できる魔石を集めていった。魔石を全て回収し終わると、また違う集落を襲っては壊滅させ、繰り返すと次第にリュックは魔石でいっぱいになった。

魔石で満杯になったリュックを背負い、俺はダンジョン入口に戻ることにした。次はドロップ品買取所に向かい、魔石をポイントに変える。

その後も俺はダンジョンに何度も潜り込み、同じようにボブゴブリンの集落を壊滅させては魔石でリュックがいっぱいになると、ポイントに変え、そしてまた潜る。それを繰り返していくうちにレベルも2回上がり、ポイントは28300まで溜まった。


 

「さすがに疲れたな、今日はこんなもんでいいか」


外はもう暗くなっていたので今日は切り上げることにした。

なんだかんだ、こんな夜まで探索したのは初めてだなと思いつつ、ぐーっと伸びをする。


「濃密な1日だったなぁ」


俺はそう言って帰路についた。

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