第2話
俺はまたあの真っ白な空間に戻ってきたようだ。
あの時いた人たちは、相変わらず思い思いのことをしている。
俺はその中で、あのゲームに興じていたグループの所へと足を向けていた。
「はじめまして。今は何をしているのですか?」
「今は、手押し相撲をしています。よかったら一緒にどうですか?」
「いいのですか? そう言ってくださるのであれば、お邪魔させていただきます」
「そんな堅苦しい口調じゃなくていいって。一緒にやるんだからもう友達だろ」
グループのみんなはそう言った感じのとても気さくな方たちだった。おかげで俺もすぐに打ち解けてとても仲良くなることができた。
しかし、そんな楽しい時間も長くは続かない。
その後も様々なゲームで盛り上がっていた矢先、唐突にこんなことを言われた。
「急にこんなことを言うのはあれですが、僕たちはそろそろ、あちらの方へ行くことにします。良かったら、一緒にどうですか?」
そう言って彼らが指し示した先はあの"通路"であった。俺としてはあの通路にはどうしても行く気になれないので、せっかくの誘いではあるが断った。そうしたら、
「そうですか、それは残念です。ですが、僕らとしてはまたどこかであなたと会えることを楽しみにしています。とても楽しい時間を過ごすことができました。また逢う日まで、さようなら」
そう言って彼らは"通路"のほうへ歩いていき、スターターピストルの号砲に合わせて走り去って行ってしまった。やはり彼らを気にするものはおらず、俺は少し悲しい気分になった。
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