「ニャゴン団、ついに成功!? 無謀な大計画が幕を開ける!」

――――


前回のリーダー交代騒動が一段落し、再び平穏が戻ったニャゴンタワー。だが、リーダーのニャーダスはいつもとは違う真剣な表情をしていた。彼の前には大きな作戦ボードが広がっており、団員たちも緊張感を漂わせながら集まっていた。


「皆の者、聞けニャ!今回は、今までにない大計画を実行するニャ!」ニャーダスの声がタワー内に響く。


「おおー!」団員たちが一斉に声を上げる。しかし、その内心ではまたニャーダスの気まぐれで失敗するのではないかという不安もあった。


「今回の計画は、街のすべての魚を一夜にして奪い、我々の力を見せつけることニャ!」


スクリーンには、街中の魚市場やレストランの様子が映し出されている。魚好きの団員たちは興奮を抑えきれない様子だ。特にミャーミャは目を輝かせて、スクリーンに釘付けになっていた。


「ついにニャーダス様も本気を出したニャ!これなら成功するかもしれないニャ!」ミャーミャが興奮気味に呟いた。


「計画の概要を説明するニャ。我々はまず、街の主要な魚市場を一斉に襲撃する。そして、その後すぐにレストランからも魚を奪い取る。全員がチームに分かれて、それぞれの任務を遂行するニャ!」


ニャーダスが指示を出すと、団員たちはそれぞれの役割に応じて配置についた。ニャムはチームリーダーとして市場の襲撃を指揮し、ミャーミャはレストランの担当に選ばれた。


「皆、準備はいいかニャ?」ニャーダスが問いかけると、団員たちは揃って「はい、ニャーダス様!」と答えた。


そして、ニャゴン団の大計画がついに動き出した――。


――


夜になり、街が静けさを取り戻した頃、ニャゴン団は忍び足で市場へと向かった。ニャーダスの号令とともに、団員たちは迅速に行動を開始した。


ニャム率いるチームは、素早く市場の裏口から侵入し、魚を積み上げたトラックを次々に運び出していく。ミャーミャたちのチームも、レストランでの襲撃を順調に進め、冷蔵庫から魚を次々に運び出した。


「これは……まさか、本当にうまくいっているのかニャ?」ニャムは少し驚きつつも、計画が順調に進んでいることに満足していた。


しかし、ニャーダスにはまだ心配があった。彼はふと、魚市場の奥にある大きな冷凍庫に目を向けた。


「もしあの中にも魚がたくさんあるなら、全部奪わなければ本当の成功とは言えないニャ……!」


ニャーダスは意を決して、その冷凍庫の扉を開けた。しかし、その瞬間、冷凍庫のセキュリティシステムが作動し、大きな警報音が鳴り響いた。


「ニャーダス様、警報が!」ニャムが叫んだ。


「しまったニャ!」ニャーダスは焦りつつも、冷凍庫の中を探った。しかし、そこにあったのは魚ではなく、大量の氷だけだった。


「な、なんだニャ!魚じゃないニャ……!」ニャーダスはがっくりと肩を落とした。


その間にも、警報音に反応して、街中の警察が動き始めていた。ニャーダスは急いで団員たちに撤退の指示を出した。


「全員撤退ニャ!急ぐニャ!」


団員たちは素早く市場とレストランから退却し、ニャゴンタワーへと戻った。何とか魚を奪うことには成功したものの、警報を鳴らしてしまったために、彼らの存在が人間たちに気付かれる危険性が高まってしまった。


――


ニャゴンタワーに戻った団員たちは、奪った魚を前にして複雑な気持ちになっていた。


「魚はたくさん奪えたけど、警報を鳴らしてしまったニャ……」ミャーミャが落ち込んだ様子で言った。


「確かに警報を鳴らしてしまったが、我々は初めて本当に大きな成果を上げたニャ!」ニャーダスは団員たちを鼓舞するように言った。「次はもっと慎重に、もっと大きな計画を実行するニャ!」


団員たちはニャーダスの言葉に励まされ、再びやる気を取り戻した。そして、彼らの目標である世界征服への道は、まだまだ続いていくのだった――。


――――


次回予告

次回、「ニャゴン団、仲間割れ!?魚を巡る争いが勃発!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る