第2話 水樹みたいに素敵に微笑む人
登場人物
性別:男
年齢:23
身長:172
性別:女
年齢:24
身長:161
性別:女
年齢:24
身長:156
「は~ぁ?!また
そう七海は大きな声で驚く。
その七海の言葉に水樹は悪気のない声で「うん」と返した。
「うんってあんたねぇ。
もしかして山西君のこと家政婦か何かと間違えてない?」
そう七海は呆れた声で問う。
「間違えてないわよ。ちゃんと理解してるわ。太希君は高校の時から私の世話をしてくれる世界で1番素敵な人だってことは。」
そう水樹は言い切る。
「・・・分かんないわ。」
「なにが?」
「あんたら絶対両想いなのに何で付き合ってないの?」
そう七海が理解できないと言った声で尋ねると水樹は顔を赤くする。
「そ、そんなのか、関係ないよ。」
そう少し裏返った声で水樹は言葉を返す。
「ふ~ん。本当、不思議ね。
付き合いとは思わないの?」
そう七海は続けて尋ねる。
その問いに水樹は少し間を作る。
「・・・付き合うとさぁ…良くも悪くも今の関係は終わっちゃうでしょ?」
「まぁそうね。」
「今の関係がいいんだ。この距離感が今は幸せなんだ。太希君もきっと…そう思ってるから告白してこないんだと思う。」
そう水樹が自分の想いを話すと七海は少し考える素振りを見せる。
「やっぱ、変わってるね、あんたら。
でも、2人共それで幸せならウチはなんにも言わんよ。これからもお幸せに。」
そう言い残すと七海は電話をきる。
静かになったスマホを水樹は少し寂しそうに見つめる。
🧹
そして、次の日曜日。
「今日もよろしくね。」
そう笑顔で水樹は太希を家に上げる。
先週と同じように
「一応聞こう。」
「どうぞ。」
「これが可能な限り頑張った結果か?」
そう太希は呆れた視線を水樹に向けながら問う。
「そうだよ。ほら見て。」
そう言われて太希は水樹が指差す方向へ目線を向ける。
そこはベッドの上だった。
「前回まではベッド上にも物があったでしょ?でも、今回はない。これは大きな成長だよ。」
そう言って水樹は小さな胸を張る。
そんな水樹に太希は大きな息を吐くと
「さいでっか」と言葉を返す。
「・・・時間がもったいない。
始めるか。週1回の大きなイベント。
水樹の家を綺麗にするぞ大作戦、第何回かはもう忘れた。開始だ~ぁ。 」
そう気合いを入れると太希は片付けを始める。
🧹
1人テキパキ片付ける太希に水樹は声をかける。
「ねぇ、太希君。」
「あん?」
「太希君って…どんな女性がタイプ?」
そう聞かれて太希は動きを止めると水樹の方へ目線を向ける。
太希の目に映る水樹の顔は真剣なものだった。
「何でそんなこと聞くんだよ。」
「いいでしょ?答えてよ。」
そう太希から目線を
太希は水樹の質問に答えるために真剣に考える。そんな太希の頭に浮かんだのは水樹のあの優しい微笑みだった。
「・・・微笑みが…素敵な人…かな。」
そう太希が答えると水樹は目線を太希に戻す。
「・・・もっと具体的に言ってよ。」
そう返されて太希は困る。
少し考えた
「・・・水樹みたいに素敵に微笑む人。」
その太希の言葉が2人の時間を止める。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。