水着の購入は女の戦いよ!


 私はとりあえず近くの大型ショッピングモールへ来ていた。



「流石に夏休みに入っているから、学生っぽいのが多いわね……」


 午前の開店したばかりの時間だと言うのに、既に若い子たちがうろちょろしている。

 中には母親に連れられた子供たちもいる。

 そんな中、私は水着売り場に向かう。


 春先に今年の水着は既に買っておいた。

 しかしそれはワンピースタイプで、友人などに誘われた時用の物だった。


 なのにあいつら、彼氏が出来たとか言って全然私を誘いに来ない!



「ふふふ、まあいいわ。私だって今年の夏こそロストバージンするのだから、それも優馬で!!」



 相手が弟?

 ふんっ!

 そんなことは関係ないわ!

 優馬は私のモノ。

 それを所有者である私がどう使おうと勝手。

 これこそが姉の特権よ! 

 私に常識などと言うちんけなモノは通用しないわ!!



「さてと、ここが売り場だけど良い水着残っているかしら?」


 女の水着購入は戦いだ。

 大体今年のデザインが出始めるの春先、梅雨の前あたりから売り場には並び出す。

 学生向けのモノはもっと早い時期から出るけど、正直昨年の在庫辺りを出して来るのでパス。

 やはり今年の予想トレンドを盛り込んだ新作が重要よ!


 しかし、今回は出遅れた。


 優馬が好きそうなおっぱいを強調できるビキニの水着は無いかしら?

 

 私はそう思い、売り場の水着を見始める。

 今年は例年にも増して暑いらしい。

 そうすると、涼しげなデザインが目を引くが、それは大概清楚系またはフリルなどが多めの可愛らしさを主体にアピールするものとなってしまう。


 だが今回はそれではだめだ。


 相手がどんな女か知らないが、それを完全に超えるセックスアピールが必要だ!



「となると、ここは大人の女風に攻めるのが良いかしら?」


 言いながら私は赤いビキニの水着を取る。

 ワイレッドのちょっと渋めのモノで、肩紐とかが独特でおっぱいを強調してくれるデザイン。

 それと黒のモノや、紫色の妖艶なモノまで手に取って試着室へ向かう。



「すみません、試着したいんですが」


「あ、はいはい、一度に三着まででお願いします。それとインナーはお持ちですか?」


「あ、無いのでお願いします」



 販売員にそう言って使い捨てのインナーをもらう。

 女性の水着の試着は、インナーを穿いてから試着をする。

 まさか他の誰かが直接穿いた水着を穿くのは流石に誰だって嫌だから。

 流石にブラは仕方ないけど。



「さて、とそれじゃぁ始めましょうか」



 私はそう言いながら服を脱ぎ始めるのだった。




 


 

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