第4話

鳥の声が聞こえて意識が浮上する。

まだ目を開けるのは億劫で、柔らかな布団の中でもぞもぞしてみる。

そうしていたら髪を撫でられた。

「おはよ、祈咲」

寝起きの掠れた声が呼ぶ。

「んん…」

だけどまだ眠っていたい。

体温で丁度よく温まった布団は抜け出せない。

布団ごとぎゅっと抱きしめられて、額にキスが降ってくる。

「もう少し寝ちゃう?今起きたらフレンチトーストを作ってあげられるのになぁ」

釣られて目が開いてしまう。

ノアの作るフレンチトーストは絶妙な焼き加減で絶品で大好きなのだ。

「起きる」

ころりと寝返りをしてノアに抱き着く。

起きるけど、まだ少しこうしていたい。

「おはよ」

もう一度そう言うと、またキスをくれる。

「おはよう、ノア」

こんなに幸せな朝がずっと続けばいい。

今日はどんな一日になるだろう?

起きてしまうまであともう少し…。

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