第2話
身体が熱くて、自然と荒くなる呼吸。
どうやら熱を出したらしい。
身体は痛むし、心細くなるしで涙が出てくる。
「どうした?」
聞こえるはずのない柔らかな低い声がした。
「ルカ…?」
今日は二人共仕事でいないはずなのに。
そんな事を考えてぼーっとしていたら、大きな手が額に触れた。
「まだ下がらないか…」
そう言って撫でて、涙も拭いてくれる。
ルカがいる事に安心したのか、次から次に涙が溢れて止まらなくなる。
「ルカ…ッ」
ぐずぐずと鼻が鳴るのは嫌だけど仕方ない。
「大丈夫だ、ここにいる」
仕事は?どうしていてくれるの?
聞きたい事は色々あったけど、今は1人になりたくない。
ベッドに座って手を握ってくれる。
「傍にいるから、ゆっくり休め」
1人じゃなくなってほっとしたのか、さっきまでの心細さはどこかへいった。
そのまま目を閉じる。
きっとルカは目を覚ますまでいてくれるから。
大きくて力強いてにすがって、再び眠るのだった。
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