第1話

カーテンがゆらゆら揺れる。

暖かな日差しの心地良さに祈咲はまどろむ。

祈咲キサキ

大好きな暖かな声が呼ぶ。

このまま眠ってしまおうか。

そう思っていると、サラリと髪を撫でられる。

「このまま寝る?」

優しくて甘い声が、手が、問いかける。

「ん…ノア…」

両手を広げてみる。

「なぁに?」

微笑んで、分かっているだろうに意地悪だ。

「一緒に寝よ」

きっともっと心地いい気分になれる。

大好きな人と、こんなにゆったり過ごせるんだから。

「分かった、甘えん坊だなぁ」

からかうように言って、抱きしめられる。

ベッドに沈む。

ぎゅっと腕の中に抱かれて、大好きな匂いを吸い込む。

クスクスと笑うノア。

髪をすかれて、今度こそ私は夢の世界へ沈んでいった…。

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